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「おはよぉ虹太くん!」
「え!?うさぎ先輩!?」
朝教室に行くと誰よりも早く俺に声をかけてきたのはここにいるはずのないうさぎ先輩。
しかもちゃっかり俺の席に座ってる。
「ちょ、うさぎ先輩何やってるんですか?てかここ俺の席だし…」
椅子に座って棒付き飴をカラコロ鳴らすうさぎ先輩に駆け寄ると周りのカラフルオオカミ集団からいろんな目を向けられた。
羨望や疑問、嫉妬のようないろんな目。
そうだった…この人ウルフの副総長だった…
「迎えに来たよぉ…遊びに行かない?」
「え?遊ぶって…今学校来たばっかり…」
うさぎ先輩のお誘いをやんわり断ろうとするとオオカミ集団が一気にざわつき始める。
うぉ…怖ぇ…
「えぇ〜サボれば?」
「え、ダメだって!父さんにちゃんと授業受けてこいよって言われたし」
「ぷくくっ…そっかぁ、お父さんかぁ…あははっ!いいよ、じゃあ放課後遊びに行こ?」
「それなら大丈夫です!」
「決まりだねぇ」
嬉しそうなうさぎ先輩はポケットから雨を出してどーぞと渡してくる。
有難く受け取ると教室の扉がコンっと叩かれた。
その音に振り向いたカラフルオオカミ集団がどよめき、黎斗さんおはようございます!と野太い声を上げた。
「行くぞ」
そんな彼らを一瞥し、うさぎ先輩に声をかける。
はぁいと席を立ち上がったうさぎ先輩はまたねぇと手を振る。
それに振り返すとまた周りがどよめく。
「邪魔したな」
帰り際にオオカミ先輩がそう言って俺に何かを投げてよこす。
慌ててキャッチするとそれはどこかの教室の鍵のようだ。
プレートがぶら下がっているけど名前は掠れて読めない。
まぁいいか、ポケットにそれをしまってさっきまでうさぎ先輩が座っていたそこに座る。
それと同時に光宗ぇ!とカラフルオオカミ集団に囲まれ、質問攻めにされたのは言うまでもない。
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