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手元でスンスンと鼻を鳴らしたオオカミ先輩からの衝撃的な一言
弁当はそれ用のものに包まれて更にランチバッグに入れられている
なのに中身を当ててしまったオオカミ先輩
「な、なんでわかんの…?」
ソファの背もたれに盛大に寄りかかっているオオカミ先輩に問いかけると何言ってんだみたいな顔をされる
「嗅げばわかるだろ」
「わかんねぇよ!」
試しに嗅いでみるけど中身が焼きそばだってわかってるからか、心做しか焼きそばの匂いがしないでもない
でも普通、わかんないだろ…?
「黎斗は鼻がいいんだよ、それより早く食べよ?僕お腹ぺこぺこ〜」
鼻がいいで済ましたウサギ先輩は持っていたビニール袋をひっくり返す
バサバサっと落ちてきたパンに嫌でも目が惹かれた
「パンダパン…ネコパン…ピーターパン…」
見たことないパンばっかり
ピーターパンって何だよ…下手くそなダジャレか?
パンダとネコの形のパンはまだ分かるけど、ピーターパンに至ってはただのサンドウィッチだ
「何〜?あ、もしかしてピーターパン食べたい?ダメ〜僕のお気に入りだからね」
「いや、要らない…何その変なパン」
オオカミ先輩の向かい側の二人掛けソファの真ん中ににどかっとウサギ先輩座ったので遠慮して横に並ぶ一人掛けソファに腰を下ろす
弁当を広げながら聞けば既にピーターパンとやらを食っているウサギ先輩が得意げに教えてくれる
「購買に売ってるパンだよ!関西弁のインチキ臭い奴が売ってるんだけど、普通の名前だと面白くないからって言ってた」
わけわかんないよねって言いながらピーターパンを頬張るウサギ先輩
購買で売ってる変わった名前のパン
関西弁のインチキ臭い店員さん
気になる…すっごく気になる…
俺も購買行ってみよう…
「オオカミ先輩は、購買行ったことある?」
「あ?あー…ねぇな」
「え!?ないの!?じゃあ一緒に行きましょうよ!」
無表情でウサギ先輩の買ってきたパンダパンを食べているのがちょっと怖いけど思い切って誘ってみる
「…気が向いたらな」
「え!?何それ!俺がどんだけ誘っても来ないくせに!」
いきなりバッと立ちあがるウサギ先輩にびっくりして危うく箸を落としそうにはなる
「うるせぇ」
納得いかない!と足をばたつかせるウサギ先輩
「虹太くんは僕の遊び相手なのに〜!」
机の下に伸びたオオカミ先輩の長い脚を蹴りながらなぜか駄々をこねてるウサギ先輩
子どもかよって言ってやりたいところだけど今はそれどころじゃない
オオカミ先輩は、ウサギ先輩の誘いは断ってたのに、俺の誘いは断らなかったんだ
まぁ、気が向いたらなも断られたようなもんだけど、ハッキリ嫌だとは言われてない
ウサギ先輩は断られたのに、俺は断られなかったんだ
なんだこれ、なんでかわかんねぇけど、なんか嬉しい…かも
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