アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
さかうら ※死ネタ注意
-
えっ……嘘…だよな……。…まだ…夢の中…なんだよ…な?
違う。それはわかっている。ただ、受け入れる事が出来ないだけだ。
ここは病院、今、俺の前にいるのは坂田……いや、
・・・・・・・・
意識を失っている坂田だ。
『このままだと、いつ目を覚まされるか……目を覚まされたとしてもお話が出来る状態かわかりませんね……。』
さっきまで隣に居た医者の言葉が重く、心に響いてくる。
医者から聞いた事なのだが、心臓に関わる病気にもともとかかっていて、完治していたようなのだが、数年前に再発し、倒れて運ばれたらしい。
相当進行していたようだった。
なのに、坂田は俺には何も教えてくれなかった。
坂田が倒れて電話がかかってきたのは俺が一番最初だったらしい。
志麻やセンラに伝えるととても驚き、すぐにこちらへ向かうと言われた。
そして、2人が到着してから持病だったということを話すと、
志「何で…何で何も教えてくれんかったんや!坂田の…バカッ!……グスッ」
セ「……」
……2人とも泣いていた。2人も何も聞いていなかったらしい。
どうして教えてくれなかったのかと少し悲しくなってしまった。
それから俺たちは面会終了時刻ギリギリまで病室で坂田の目が覚めるのを待ち続けた………が、その日に坂田が目を覚ますことはなかった。
次の日、俺は面会開始時刻より少し早めに病院に行って待っていた。
ドアが開くと同時に走り出しそうになるのを抑え、病室へ向かった。
いつもと変わらない様子でこちらにニカッと笑い、無邪気に手を振る姿を期待して。
だけど、ドアを開くと、昨日と変わっていない坂田の姿があった。
ただ、1つだけ変わっていたものがあった。
それは、机に置いてあるものだ。
昨日は置かれていなかった 手紙 が置かれていた。
俺は驚いて、看護師さんに話を聞くと、
『昨日、坂田さんのお母様がお見えになったんです。
そして、
坂田さんの家の掃除をしていたらもしもの時に渡してほしいとかかれた紙と一緒に見つけたので、3人に渡してほしい、
と渡されたのですが、私達は誰に宛てられたものか分かりませんので渡すことが出来ません。
ですから机に置いておくことにしたというわけです。
ここで私はまだお仕事があるので失礼します。
また用がありましたら呼んでください。』
といって、ナースセンターの方へと戻ってしまった。
それにしても、誰に宛てたものか分からないって?
名前を見ればわかるんじゃねぇのか?
そう思いながら手紙の宛先をみると、
………何も書かれていなかった。
かわりに、表の真ん中に
緑のクローバー
紫のスペード
黄色のダイヤ
がそれぞれに描かれていた。
どうりで分からないわけだ(--;)
何で記号で描いてんだよw
と心の中でツッコんでしまったが、この際気にしない!
俺は思い切って緑のクローバーの手紙を開ける。
すると中から一枚の手紙と…写真?が出てきた。
手紙には、
うらさんへ
病気の事、黙っててごめん。
余計な気を使わせたくなかったし、心配をかけたくなかったんだ。
でも、この手紙を読んでるって事は僕は倒れたんだよね?結局心配をかけちゃってごめんね。
それと、今まで仲良くしてくれてありがとう。
一緒に遊びに行ったり、コラボをしたり、とても楽しかったぜ!
また、一緒にいられる時間は少ないけど、よろしくな!
………卒業アルバムの寄せ書きみたいなことかきやがって……
う「……ッ‼」
必死に涙が止まらないのを抑えようとするが止まらず坂田の寝ているベッドに手をつき、その場に崩れ落ちてしまう。
そのまま泣くこと数分がたった時、ふいに
「………うらさん?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
14 / 17