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雨の日❸
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八雲を部屋に招き入れるとそいつはぼーとした顔で部屋を見渡した。
「予想以上に綺麗な部屋だった」
「どんな部屋想像してたんだよ」
基本的に白と黒でまとめられた部屋はどこにでもいる学生の部屋という感じだろう。
「俺のこと部屋入れちゃっていいの?襲っちゃうかもよ?」
赤い顔した馬鹿がにやっと笑ってすり寄ってくる。
「アホか、さっさと寝ろ」
頭をバシッと叩いて睨めばいってぇとボヤいてすごすごとソファーにだらりと座る。
「いや、ベッドで寝とけよ」
「それは流石に悪い」
「悪化したら困るだろ」
腕を引いて立ち上がらせベッドに連れてく。
「とりあえず寝とけ」
「ふぇーい」
布団に潜った八雲は呑気な声を出して既に目を閉じていた。
「……」
八雲が寝息を立て始め寝たことを確認して立ち上がる。
今から学校行くのもなぁ…
ちらりと八雲を見れば熱で赤い顔には汗をかいてるようだ。
寝てれば普通にいい奴に見えるのにな、残念なやつだ。
へっと鼻で笑ってタンスをみれば冷えピタがなかった。
買ってくるか、寝てるし。
近くのドラックストアなら売ってるだろうか。
財布だけ持ち音を立てないように静かに部屋をあとにした。
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