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倉庫を出て数分間、僕は放心状態だった。
だけど、時間が経つにつれて現実が突きつけられる。
もう、僕はあの心地いい場所には戻れないんだ…。
改めてそれを実感した時、僕の目から大量の涙が溢れ出る。
………みんなごめん。
ありがとう。
みんなのおかげで僕は、いろんな感情を知る事が出来たし、いろんな思い出も出来た。
もう充分だ。
あとは死ぬまでお父さんの人形となるだけだ。
感情も感覚も全て消す。
もう二度と泣かない。
そう決めた時、
ーシャラッ
昨日買ったブレスレットが見えた。
………柳瀬。
会いたい。
まだ離れて数分しか経っていないのにもう会いたい。
けれど、もう二度と会えない。
……あぁ、なんでこんな時に自覚してしまったのだろうか。
僕は………柳瀬が好きだ。
今更気付いても遅いんだ……もう叶わない恋だから。
こんな感情なんて知らない。
柳瀬はタダかっこよかっただけで惚れたのではなく一時の感情だから。
そうやって恋心に気づいていないと自己暗示をかけて、心に蓋をする。
これでいい。
そして僕は、この街から姿を消した———。
陽向side end
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