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整備されている石畳の道に並ぶのは、古いが芸術的に価値のある建物。
ハンネはいつも通い慣れたその道を通り、夕食の準備をするための食材の入った紙袋を片手で支え、ある人物の家へと向かった。
何時もより来る時間が遅くなってしまったと思い、急ぎ足で人通りの少なくなった道を行く。
建物に入り階段を上って、扉を数回叩き住人の返事を待たずに扉を開けた。
「アレックさん遅くなってすみません」
「ンッはぁ…えっ?!きゃあ!!!?」
「…」
広い部屋の真ん中。まさにそういう行為をしはじめようとしていたのだろう少し乱れた服の中年の男と素っ裸の少年がいた。
熱いキスを交わすのに夢中だった少年は、突然の訪問者に驚きの声を上げた。
焦りながらバタバタ脱いだ衣服を身にまとい、扉の外へ逃げるように出ていく。
その様子をハンネは少しだけ眉を潜めながら見ていた。
「やあハンネいらっしゃい。今日はもう来ないかと思ったよ」
部屋に残った中年の男は、大げさに両手を広げてニコニコと笑いそう言った。
男の乱れた衣服をみてハンネはため息をつく。
男の名前はアレック・ヨハネス。
彼は、今年で43歳を迎える。
だが、まだまだ現役とばかりに“そういう行為”に勤しむ。
しかも少年とばかりだ。
女性とは誘われてもそういう関係にはならない。彼は少年愛好家のゲイだった。
しかし、ゲイではあるが彼は女性にも優しい紳士だ。だからか女性にもモテて、美しい彼へ思いを寄せる者は老若男女と幅広かった。
肩まで無造作に伸ばした綺麗な黒髪に、アーモンド型の目に大きな翠の瞳。顔に刻み込まれたシワの一つ一つも彼の魅力だ。
彼は歳を重ねる度に魅力を増していく。薄い唇をにこり笑わせれば、10人中10人が頬を赤らめると言われるほどだ。
勿論、彼がモテてる理由はそれだけではない。
売れっ子の芸術家である彼の財産が目当てで、近づく者も多くいた。
しかし、アレックもそれを知っているからこそ、あとぐされなく1~2回ほどの関係で終わらせていた。
「今日のご飯はなにかな?」
聞いてくるアレックの言葉は無視して、ハンネは近くのテーブルに紙袋を置きアレックの方を向く。
さっきの少年も今までと同じその一人だろう。そう考えたハンネは、嫌みも込めて言った。
「さっきの子、追わなくていいんですか?」
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