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真実5
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「相手は……誰…だ?」
「相手?ああ。俺の親父。殺したいよね。憎いよね。こんな可愛い夏を……けど大丈夫。ちゃーんと敵は打ったから。」
「敵…?」
するとニコニコしながら、ビデオテープを大事そうに巻き戻しつつ話をする怜。
「オヤジッてさー、変態だったんだよね。アレ。小児性愛者ってヤツ。だから昔からヤクザの肩書き振りかざして、借金抱えた人の子供に悪戯してたみたい。」
テレビの電源を消してコード抜くと、几帳面に怜はコードを結んだ。粉が舞う。
「俺、一度見ちゃったんだよね。現場。借金の回収についてった時。俺寝ちゃってたんだけど目覚ましたら隣の部屋でイタしててさー
まあそれが夏なんだけど。良かったよ。初めて見たのが天使みたいな夏で。」
逆に目覚めたのだと怜は言いながら、再び前に座った。椅子を向かい合わせにするようにして。
「けど、まあ其からだよね。問題は。親父が変態なら俺も身が危険だと思ったわけ。
だって俺って可愛かったし。まあ夏には負けるけど?」
髪をすくように触りながら、怜は続ける。その目は据わっていてかなり不安定だ。
「だからさー…侑雅が来たときはチャンスだと思った。
コイツに全部押し付けようって。」
ゾワリと肌が泡立つ。部屋の空気はどんどんはりつめ、空気は冷たくなっていく気がする。話し方は稚拙だが、内容はどこか大人びていてそれが怖い。
「兄貴に……なにをした」
「べつにい?避雷針になって貰っただけ。侑雅意外にいい顔してんだろ?色気があるっつーかさ。艶がある。昔から変わらない。
親父はソレを見て引き取った。前日まで渋ってた男がさ。手……出されたかな。出されなかったか。ギリギリだったろうなあ……。
お袋が侑雅を嫌ってたのはそれが理由だったろうね。会うまでは友好的だったから。親が居なくて可哀想。貴方の子なら是非にって。
それが暮らし初めてから真逆だもの。お袋もしまったって思ったンだろ。『女』を家にいれちまったって…。
まあともかく侑雅を見るお袋の目は嫉妬に狂ってたね。あれはおっかなかった。」
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