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担当編集者が変わりました 8
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「グスっ………ふっ……グズっグズッ………」
「柏、待たせたな。終わった、ぞ…?お前なんで泣いてんだよ?」
約1時間後。帝は掃除を終え、キッチンにいる俺を見つける。
俺はと言うと、読みはじめてから10分もしないうちに涙が出始め、終わった今じゃ号泣。
キッチンの端にうずくまっていた。
久しぶりに読めばこのザマだ。
「帝のぉ……お前の、しょーせつ……グスッ…悲し過ぎんだよぉー!」
「あー、あれな。あの馬鹿みたいな題名の。なんだったか………、あぁ世界征服思想論。
俺も馬鹿なもの書いたよなー。」
グズグズと泣く俺の頭を撫でながら、帝は笑いながら言う。
「そんなに良かった?」
帝の問いかけにコクっと頷く。あれを読んで泣かない奴は絶対いない。そう思えるほどに良かった。
「まさかあんなので泣くとは思わなかった。馬鹿かお前。」
「馬鹿じゃない。…あれ、絶対皆泣く。」
大分涙も枯れ、馬鹿にされたことで帝を睨む。帝は自分で書いたからあの良さが分からないんだ。絶対。
「はいはい。とりあえず泣き止んだ?相変わらず柏クンは泣き虫だな。」
「…うるせぇ。」
「泣き止んだんなら移動。部屋片付いたからそっちな。今度は真面目な話すっから。」
俺はまた頷くと少し時間をかけて立ち上がる。帝はもう部屋に移動したらしく、俺もノロノロと部屋に戻った。
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