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「………」
お礼を言ったのにも関わらず会長は何も言わない。
目は合っているのに。
「会長…?」
「……いや、何でもない。気をつけて帰りなよ」
そして俺は腑に落ちないまま図書室を後にした。
寮に戻ると、既に朔弥が帰って来ていて、俺の姿を見るなり両肩を掴まれて揺さぶられた。
「おいっ!蒼衣、どうしたんだよ!」
そりゃ、こんな格好で帰って来たら驚くよな。
さらに海と柊までやって来た。
「誰だよ相手は!言え!俺が半殺しにしてきてやる」
柊がすごいこと言ってて正直怖いんですけど…
ってか口悪っ!
「いや未遂だし、生徒会長が助けてくれたんだ」
「生徒会長が?」
海の確認するような言葉にこくりと頷く。
そして、助けてくれたまでの経緯を3人に話した。
「許せねぇ、その早川ってやつ。マジでぶち殺してぇ」
「いや柊、落ち着け…な?お前そんな口悪くなかっただろ」
半殺しが完全な殺しになっている。危ない。
鬼のような形相の柊に俺は顔を引きつらせながら両肩に手を置いて落ち着かせようとした。
「…分かった。とりあえずお風呂入ってきなよ」
柊はそう言うと俺から顔を逸らして離れた。
近づかれ過ぎるのは嫌だけど、そんな反応されると少し傷つくなぁ…
こんなこと柊には言えないけど。
絶対調子に乗るから。
そして俺がお風呂に入っている間に繰り広げられていた会話など、俺は知る由もなかった。
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