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あれから俺はなるべく一人にならないように気をつけていた。
なんだかんだで部活にも入っていない柊と一緒に居ることが多くなっていた。
幸いなことに呼び出されることもなかった。
「ほんとごめん!教室で待っててもいいんだよ?」
「いや、大丈夫だよ、最近呼び出しとかもなかったし一人でも平気だって」
「気をつけてよ?」
「分かってるって!じゃあまた後でな!」
「うん、また後で」
心配そうに俺を見送って、柊とは廊下で別れた。
いつもは柊と寮に帰るのだが、今日は柊が日直で、普段なら日誌を書いて出す程度なのだけど今日に限って先生に頼みごとをされていた。
少しくらいなら待ってもいいかなとは思ったんだけど、柊には迷惑ばかりかけているから、一人で帰れるとなんとか説得して一人で寮に帰ることになった。
寮へと続く道を歩いていた。いつもは柊と歩く道だけど、今日は一人。
最近はいつも柊が居たから、なんだか少し寂しい。
なんて考えていたら前から三人が横並びで歩いて来ていて、俺は気にもせずにいた。
横に避けてすれ違おうとした時、不意に三人のうち一人の口角が上がったのが見えた瞬間、腹に鈍い痛みを感じた。
「うっ……!」
やばいと思った時には既に遅く、目の前が霞んでいく。
あー…柊に申し訳ないなぁ…
なんて思いながら俺の意識は遠退いていった。
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