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そう言って俺の太ももに触れた時、外から足音が聞こえてきた。
そして扉が音を立てて勢いよく開かれた。
その場にいた全員が扉の方へ視線を向けた。
「やっべぇ!生徒会長だ!」
「だから鍵閉めた方がいいって言ったじゃん!」
「うるさい、いいからお前ら行くぞ!」
扉の所に立っている人物の正体に気づくと、奴らは慌ててバタバタと体育倉庫から出て行った。
「椿葵!!」
会長はそいつらを追いかけることなく、俺の元へ駆け寄ってきた。
倉庫内には独特な臭いがしていて、それに、俺の乱れ、脱がされた服装を見て生徒会長は全てを察したようだった。
「大丈夫?」
心配げに俺を見てくる。
ゆっくりと俺は身体を起こした。
すると会長は近くに雑に置かれていた俺のブレザーを俺の下半身が隠れるようにかけてくれた。
そして俺の肩に触れようと手を伸ばして来た瞬間、俺の身体はビクリと大きく震えた。
「や…違…くて…」
今の反応じゃ、まるで生徒会長のことも怖がってるみたいじゃん…
そうは言うものの身体は触れられることを拒絶する。
会長は俺に伸ばしていた手をそっと下ろした。
「椿葵くん!」
聞き慣れた声が俺を呼ぶ。
倉庫に入って来たのは柊だった。
「あ…」
自分の元へ駆け寄って来た柊に自然と手を伸ばし抱きついた。
「ひい…らぎっ…」
俺が抱きつけば一瞬固まった柊だが、ぎゅぅっと腕に力を込めれば、同じ強さで抱き返してくれた。
心底安心する。
「俺は触れることも許されなかったのに、自分から抱きつくなんて、君は彼の友達?」
「クラスメートです」
「そう…無事送り届けてあげて。
さっきのやつらはちゃんと生徒会で報告するから」
それだけ言うと生徒会長は倉庫から出て行った。
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