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「は?」
柊はポカンとしている。開いた口が塞がらないとはまさにこういうことを言うんだろう。
「え、誰が?」
「柊が」
「え、誰に?」
「俺に」
「椿葵くん…本気で言ってんの?」
前は何も言わずにキスして来たのに、お願いしたら戸惑うなんてどういうことだよ…
じっと見つめる。
「本気だよ…お願い…」
縋り付くように俺は柊の服を掴んだ。
「お願い……ん」
柊は優しく俺の頬に手を添えてキスをしてくれた。
出会ったばかりの頃にしてきたものと同じ、触れるだけのキス。
そして柊はすぐに離れた。
「違っ…」
「…何が?」
もどかしくなり、俺は自ら柊に顔を寄せキスをした。
触れるだけのキス…ではなく、深いキスを。
「ちょ、つばっ…きくん……」
「触れるだけじゃなくてっ…もっと、深くして欲しいんだよっ」
「…分かった。途中でやめないから」
俺が頷くと、すぐに柊は俺の唇に噛みつくようにキスをしてきた。
「ん…っ…ふぁ…」
俺は目を閉じて柊の服を掴んでいた手に力が篭る。
口内に侵入してきた舌に自らも絡み合わせる。
さっきされたキスなんかよりも気持ちいい。
室内にはキスする水音だけが響いて、夢中になっていた俺は玄関が開く音なんて、ましてや俺の部屋の扉が開いたままだったなんて気がついていなかった。
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