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やっぱり…え、なんて言い訳しよう…
「奏那、何でキスしてた?」
海が柊に問う。
「それはっ「蒼衣には聞いてない」
冷たくあしらわれてしまった。
海…怒ってる…?
海が冷たい視線を柊に送る。
柊はそれに臆することなく答えた。
「椿葵くんがして欲しいって言うから」
「は?」
「なっ!?」
海も朔弥も驚いたように目を丸くしてる。
「そんなの嘘だろ」
「ほんとだよ!」
このままでは柊が悪いことになってしまいそうで、俺は朔弥の言葉を否定する。
「俺が柊にキスして欲しいってお願いした。だから、一方的にとか、無理やりとか、そういうんじゃないよ」
そう言って朔弥から、海に視線を移した。
朔弥は驚いたままの表情で、海は何か考え込み、そして口を開いた。
「蒼衣、お前に何かあったのか?」
その言葉に身体がビクリと跳ねた。
「そ…れは……」
脳裏に蘇る出来事。
無意識に柊のシャツの裾をぎゅっと掴んでいた。
「…襲われたんだよ」
俺が口籠っていると柊は俺の肩を軽く叩き、俺の代わりに話してくれた。
その言葉に海と朔弥はまた驚いた。
「襲われたって…蒼衣、大丈夫なのか!?」
「う、うん…まぁ…」
本当は大丈夫じゃない…
大丈夫じゃないから、柊に…
「今日は…そっか、柊は頼まれごとされてたもんな」
「それで?それと、柊とのキスは何が関係ある?」
「確かに…海の言う通り、それは俺も気になってた。襲われたやつらにキスされたって言うのは聞いたけど」
三人は答えを求めるように俺を見つめる。
「いや、その…気持ち…悪くて…キスされたのが…
だから、口ん中に残る感触を消したくて…柊のこと利用した…ごめん……」
柊の気持ちを利用したのだと改めて思えば、申し訳なくなった。
これで嫌われたら……
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