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息苦しくなってきて、俺は柊の肩を押した。
するとあっさり柊は離れた。
「…蒼衣、そんな顔しないで?もっと酷くしたくなる」
「ひど、っ…!?」
驚きで目を見開く。
「ほら、帰るよ」
クスッと笑った柊は俺に鞄を渡してきて、鞄を受け取った手とは逆の手を引かれ教室を後にした。
「柊?手、離していいよ?」
学校を出て寮に向かう途中も柊は俺の手を握ったままで、言っても離してくれない。
そして手を握られたまま寮に着いてしまった。
俺の手を引きながら柊は自分の部屋の鍵を開け、中へと入る。
つまり俺の部屋ではない。
「ちょ、柊?そっち俺の部屋じゃ…っ!?」
扉を開けるや否やすぐに閉めと、閉めた扉に背中を押し付けられ、そのままキスをされた。
「んっ……」
唇は思ってたよりすぐに離れた。
「ひ…いらぎ…?」
何故か、不安が押し寄せた。
どうして、こんな気持ちになるのか、分からない。
「…ごめん。でも蒼衣も悪いんだよ?あんな顔するから」
「え…?」
「欲情しちゃった」
ペロッと舌を出して悪戯に笑う柊。
「なっ…すぐキスすんな!」
「蒼衣って流されやすいよね。…心配だな」
柊の言葉に温室でのことを思い出す。
「蒼衣?」
「いや、なんでもない」
「俺のこと嫌いになった?」
「なってないよ」
「そっか、良かった!」
そう言って笑った柊の表情はとても安心したようだった。
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