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あれから一週間何事もなく平和な日々を過ごしていた。
変わったことといえば
「あ…」
「蒼衣くん、おはよう」
「おはようございます」
生徒会長…湊人先輩と挨拶を交わすようになったことだろうか。
「いつのまに生徒会長と仲良くなったの?」
「それ、俺も気になってた」
3時間目の体育の授業に向かう途中、湊人先輩と会い、挨拶を交わした。
体育館に着くなり、二人一組で準備運動を始めたら、柊が問いかけてきて、次いで朔弥も気になってたと言う。
海も口には出さないけど、俺を見て答えを待っているみたいだ。
「いや、別に仲良くなんて…」
「だって前は挨拶なんてしてなかったじゃん」
「だよな、それに名前で呼ばれてるし」
「ま、まぁ…3回も助けてもらったし…」
俺は言葉を濁す。何か話せばキスのことまでポロっと言ってしまいそうだから。
なんとか誤魔化そう。
「そ、それより!来月の頭には体育祭じゃん!」
「えーだるいだけじゃん」
俺のテンションとは逆に、柊は嫌そうに答えた。
柊は部活には入ってないけど、運動もそれなりに出来るのになんせ疲れることが嫌いらしい。
そりゃ疲れることが好きなやつなんていないだろうけど体育祭とかの行事は別でしょ!
「蒼衣って運動出来るの?」
「何それ、どういう意味?」
「だって今、バレー全然出来てないじゃん」
「奏那、蒼衣はバレーが出来ないだけでそんなことないぞ」
「え?そうなの?」
海が俺と柊の会話に入る。
「中学では蒼衣、陸上やってて全国とか行ってたし」
「へぇーそうなんだ!意外!」
「そんなにすごかったのに何で高校でやんねぇの?」
柊の言葉は馬鹿にしているように聞こえて仕方ない。
朔弥の問いに俺は簡潔に答える。
「えー…面倒だから」
「蒼衣らしいな」
朔弥が可笑しそうに笑った。
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