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午後になり、5限目は体育祭の種目決めの時間。
体育祭委員の2人が前に立ち、種目を黒板に書いていく。
障害物競走、二人三脚、100m走、リレー、棒倒しや騎馬戦といった種目が並ぶ。
リレーにはクラス別、学年別、カラー別の三種類がある。
特にクラス別は力が入っている。
何故なら、一ヶ月分の食堂で使える食券がもらえるから。
どのクラスも陸上部とか、サッカー部とか、足の速いやつが選ばれるらしい。
そして種目は大体1人2つ出ることになっている。
着々とそれぞれの種目が決まっていく中、そのクラスリレーの最後のメンバーが決まらない。
うちのクラスは人数が少なく、数人が3種目出なければいけないみたいだ。
クラスリレーはやっぱり重荷というか、プレッシャーがかかるからか、立候補する人はいない。
そんな時だった。
「はーい!椿葵くんがいいと思いまーす」
なんて柊が手を挙げて発言した。
「え、椿葵くん?」
体育祭委員は驚いたように俺を見た。
俺には出来ないとでも言いたいのか。
「中学の時、陸上部で全国行ったことあるらしいよ」
柊が言った瞬間クラスがざわついた。
「え、すごい」
「足も速いとかカッコいい」
なんて声がちらほら聞こえてきた。
「えっと、じゃあ椿葵くんやってくれる?」
「いや…俺より速い人いるでしょ」
「速い人はみんな他のリレーにも出るから」
「椿葵くんやりなよー」
「そうだ、食券の為に頑張ってくれ!」
クラスの人たちにまで言われ、断ることができず。
「……じゃあ、やります」
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