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そして本鈴が鳴ったのとほぼ同時に柊が教室へと入って来た。
少し、息が上がっているようだし、それに、制服が乱れているように見える。
この時の俺はただ、遅刻しそうになったから走って戻って来たからだろうと思っていた。
「えっ!?襲われかけたぁ?奏那が?」
夜、いつもの4人で食堂で夕食を食べてから、海と柊の部屋でお喋りタイム。
柊の口から出たのは今日の昼休みの時のこと。
「そ。相手が三年でさぁー、しかも空手部。握力あり過ぎ。肩掴まれたんだけど、見てよこれ」
そう言って半袖のシャツを肩まで捲り上げると、そこには赤い手形がくっきりと痣になって残っている。
「うわ、ホラーじゃねぇか」
「それ、さっき風呂入ってた時俺も思った」
海の言葉に柊はけらけら笑っている。
「俺は突っ込まれるより突っ込みたい方なんだけどさー……蒼衣?」
「な、なに?」
「いや、なんか泣きそうだから」
するりと柊の手が俺の頬を撫でる。
「い、痛そうだから…」
「んーまぁ少し痛いけど、大丈夫」
「そう…」
俺が俯くと柊の手は離れていった。
「それでその三年からどうやって逃げたんだ?」
海が俺の頭をポンポンと撫でながら柊に問う。
「ふざけんなって股間思いっきり蹴り上げてやった」
「「うわ…」」
海と朔弥の声が綺麗に重なった。
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