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昼食を食べ終え、雑談していた。
「トイレ行って来る」
「俺も行く」
海と一緒に教室を出る。
トイレに入ったところで、見たことのある顔が。
「あ、椿葵くん」
「えっと…」
「あー…そういえば名乗ってなかったよね。僕は1-Fの伊吹央(いぶきなかば)」
「伊吹くん…」
あんまり関わりたくないな。
なんて、そんなことを思ってたら海が俺の前に立った。
「蒼衣に何か用?」
「あはっ、今日はお妃様じゃなくて騎士様なんだね?ね、椿葵くん」
「…」
「なぁに?緊張してるの?」
「っ…!」
海の横からひょこりと体を覗かせ、するりと頬を撫でられて、ビクッと肩が震えた。
「おい、嫌がってんだろ。何の用か聞いてんだろ」
「怖いなぁ。榎南くん、そんな睨まないでよ。ただ僕はおしゃべりがしたいだけだよ?」
柊のこと知ってたけど、海のことも知っているみたいだ。
海は伊吹くんを睨んでる。
チラリとこちらを見た伊吹くんの目はとても冷たく感じた。
俺は思わず海の背中にぎゅっとくっついた。
「あははっ、椿葵くんかわいいねぇ。庇護欲っていうの?そそられるよねぇ?榎南くん?」
「うるせぇよ」
「もう…柊くんと同じで冷たいなぁ。じゃあ僕は戻るね。ばいばーい」
ひらひらと手を振って伊吹くんはトイレを出て行った。
思わず息を吐き出す。
「何だったのあいつ」
「……この間トイレで俺のこと有名だって言ってきた一人」
「あぁ、あいつが…」
伊吹くんのこと、なんとなく好きになれない。
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