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コンコンとノックして生徒会室の扉を開いたら、そこには湊人先輩が居て、机に向かって書類をペラペラとめくっていた。
湊人先輩以外に生徒会の人はいない。
「あぁ、ごめんね。校内放送なんかで呼び出してしまって」
「い、いえ…あの、何か…?」
カタリと椅子を立つと、入り口付近に立ったままだった俺の前までやって来た。
なんだか少し緊張する。
何を言われるんだろう…
「…夏休み」
「夏休み……?」
「一緒にお祭りに行かない?」
「へ?」
予想外の誘いに間抜けな声が出た。
先輩とお祭り…?
理解できずにぐるぐると考えて何も言えずに居ると、湊人先輩は一歩俺に近づいた。
「だめ…?」
「…い、行きます…っ」
思わず口から出た言葉。
そして次の瞬間ふわっと抱き締められた。
「良かった。なかなか答えてくれないから、断られるかと思った」
「え、いや、せ、先輩っ…」
伝わってくる体温に俺は動揺を隠せない。
体が離れたと思ったら、今度は顔が近づいてくる。
思わずぎゅっと目を瞑ると、チョンと鼻にキスを落とされた。
「湊人先輩っ…」
「かわいいね、蒼衣くんは」
悪戯に笑う先輩の顔は、いつもより少しだけ幼く見えた。
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