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日程はまた後日連絡すると言われて、連絡先を交換してから俺は生徒会室を出た。
そして一年生の棟へ入る手前で急に声を掛けられた。
「椿葵くん」
「え?あ…伊吹くん…」
そこに居たのは伊吹くんだった。
体育祭の日以来会うのは初めてで、あの時のあの行動がどんな意味を持っていたのか俺には分からないけど、少し緊張する。
「えっと…どうかした?」
「……会長に呼ばれて、どんな話したの?」
小さな声で紡がれた言葉をなんとか聞き取る。
「え、えっと…お祭りに…誘われただけというか…」
「お祭り…?」
「うん」
「一緒に行くの?」
「うん」
伊吹くんは拳をギュッと握った。
そして唇を噛み締めている。
「いいなぁお祭り。僕も行きたいなぁ」
「えっ…」
それは、俺と一緒に行きたいっていう意味…?それとも湊人先輩と行きたいっていう意味…?
でも、そんなこと聞けるはずもなく、
「そ、それじゃあ…友達が待ってるから」
「そう…。あ、ねぇ、連絡先交換しない?」
「え?」
「しよう?」
「う、うん…」
そして伊吹くんと連絡先を交換して、教室に戻った。
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