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「僕と湊人先輩、同じ中学だったんだぁ」
無邪気に笑う伊吹くん。
その笑顔の真意は分からない。
ただ純粋に話してくれてるだけだと思うけど、もしかしたら…なんて考えてしまう。
そしてふっと、体育祭の打ち上げ後の教室で、伊吹くんを見かけたことが頭を過ぎった。
「そうなんだ」
「委員会が一緒だったの。それでね…」
「央ー!」
「あ、一翔(かずと)たちが呼んでるから行かなきゃ。この話は今度だね。じゃあまた新学期に」
そう言って話の途中で伊吹くんは一緒に来ていた人達に呼ばれて、そっちへ駆けて行った先に居た4.5人の中に、前に伊吹くんと一緒にトイレでも会った1人が居た。
名前は分からないけど。
「央と友達だったんだね。いい子でしょ」
「まだ友達になったばかりというか…」
「そうなんだ?だからちょっとよそよそしかったのか。きっと蒼衣くんもすぐに仲良くなれるよ」
笑って言ってくれる湊人先輩に、伊吹くんのことあんまり好きじゃない、なんて言えないな。
湊人先輩と仲良いみたいだし。
あ、中学が一緒ってことは…
「中学校、この辺なんですか?」
「そうだよ、ここから見えるよ、あれ」
指差した先には学校の校舎が僅かに見える。
その後は先輩の中学時代の話をちょっと聞いて、駅まで送ってくれた先輩と別れた。
家に着いてから、ベッドへダイブした。
楽しかったんだけど、なんだか少しモヤモヤが残った。
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