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「なんて来たの?」
「えっと…『この間は急にごめんね。今度ゆっくり話せたらいいな。』」
「意味分かんないな」
「初めてキノコに会った時はやな感じの奴だったけど、蒼衣の気でも引いてんのか?」
海の言葉に、パッとスマホから顔を上げると柊と目が合った。
「確かに、それあるかもしれない。前に、蒼衣の机触ってたから」
「あ"?それいつの話だよ」
海、怖いんだけど。
「体育祭打ち上げのあと。俺と蒼衣教室に一回戻ったでしょ?その時」
「何してたんだよキノコは」
「だから、机触ってたんだって。特に何も悪戯とかされてなかったけど。ね、蒼衣」
「…うん」
海の強張った表情は緩まない。
「大丈夫だよ。この間夏祭りで会った時も何もされてないし、言われてないから」
「…蒼衣の “大丈夫” はたまに信用ならないからな。本当に何もなかったんだな?」
と確認をされる。
俺が頷くと、漸く海の表情は和らいだ。
はぁー怖かった!
安堵の息を吐き出したところで花火が上がり始めた。
真っ暗な夜空に上がる花火は綺麗だった。
湊人先輩と見た花火も綺麗だったけど、こっちの花火も綺麗。
そして30分間の花火は終わった。
花火のあとって、なんか寂しくなる。
何もない空を見上げる。
「さて、そろそろ帰るか…」
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