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「ねぇ、聞こえてる?」
スッと俺に手を伸ばして来た時、バシッという音がして、気づけば俺の前に柊が立っていた。
「その汚ねぇ手で蒼衣に触んないでくれますか?先輩」
ひ、柊…?え、ってか…先輩…?
あ…よく見たらネクタイのライン、緑だ。
赤が3年だから…ってことは2年生か。
「よくも先輩の手を払ったね?先輩なんだから敬ってよ後輩」
「こんな所で後輩に迫ってたのはどこのどいつだよ」
「あ?」
「テメェに敬える要素なんてねぇんだけど?」
「チッ…クソ生意気な奴」
柊キレてる。口調
先輩はそれだけ言うと昇降口から出て行った。
「2人ともごめんね」
「謝ることないよ」
振り向いた柊は穏やかな口調に戻っている。
「まさか蒼衣が出て行くとは思わなかった。先輩だったし」
「いや、先輩って気づいてなかった。小桜くんが困ってそうだったから、助けなきゃって思って」
「っ…」
小桜くんは俯いた。
「小桜くん?どうしたの?」
顔を覗き込んだら、目に涙を浮かべていた。
「えっ!?ど、どうしたの?どっか痛い?」
フルフルと首を振る。
「嬉しくて…。まだ、ちゃんと喋ったことなかったし、それなのに僕のこと助けて、くれたから…」
胸がキュッと締まった気がした。
「ねぇ…灯厘って呼んでもいい?」
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