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朝、登校すると下駄箱を入る前の掲示板に人集りがある。
「あ!椿葵くんだよ!」
人集りの中の誰かが言った。
その声にその場にいた人達が次々と振り返る。
「へぇー写真より実物の方が可愛いじゃん」
「優勝候補じゃね?」
「でも俺は伊吹くん派だな〜」
「当日は椿葵に入れよっと」
なんて口々に言っている。
「蒼衣人気だね」
「全然嬉しくない」
自然と溜息が溢れる。
「喫茶店でもウエイトレスの格好やらされんのに、ミスコンでもなんて…しかも規模が違う」
「確かに、沢山の人に見られるね?」
「はぁ…やだな」
ミスコンの一年の候補者は俺、伊吹くん、水瀬くんの3人。
水瀬くんはDクラスらしくて、投票の時の候補の写真すら見てない俺は全く見たことがない。
校内に入ってからも俺を見る視線が刺さる。
視線が痛い。
「ミス、ミスターコンってさ、二年も三年もいるから余計にやだな」
「大丈夫!蒼衣が一番だよ!」
どこか胡散臭い、キラキラした笑顔で言う柊。
何が大丈夫なのか…
一番なんて嬉しくない。
そもそもミスコンなんて出たくないのに、どうして拒否とか、棄権っていう選択肢がないんだ…。
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