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柊side
「あの時声を掛けてなかったら、灯厘が酷い目にあってたかもしれない。俺だって、怖かったけど、でも灯厘が…」
蒼衣は、小桜くんを守りたかったのだと、そう言ってる。
でも、それで自分が傷ついてる。
蒼衣の出した勇気が、怖いと思った。
「小桜くんに怪我は?」
海に視線を向けると、首を振った。
「ねぇと思うけど、後で確認しとく。でもまぁ、理科室の鍵を開けたのも小桜くんだし。概ね蒼衣が庇ってたんだろ」
「…っ」
「そうなの?」
蒼衣の頬に手を添えると、蒼衣はびくっと肩を揺らした。そしてひとつ頷いた。
「俺が、大人しく、されてれば、灯厘には手を出さないって…言われ、たから…」
「それで?」
俺の先を促す声に、蒼衣は不安げに俺を見た。
「口に…っ…」
添えた手で頬を撫でる。
そしたら、蒼衣は堪えきれずぽろぽろと涙を零し始めた。
「口、押さえ……飲ま、されて」
飲まされた…?
「何を飲まされたの?」
「せー…え、き」
小桜くんを脅しに使って、無理やり口淫させた挙句、口の中に出したってこと?そしてそれを飲ませたの?
「クソ野郎じゃねぇか」
「だから俺が殴ったんだよ」
「そいつだけなの?」
蒼衣はゆるゆると首を振った。
「何人いたの」
「3人」
「3人ともにやられたの?」
蒼衣は頷いて、そして口を開いた。
「飲ま、されたのは…1回」
そして蒼衣は俯いてしまった。
ポタリと雫が床に落ちた。
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