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『はい!2日間の投票が先程締め切られ、集計が終了しました!みなさん盛り上がる準備は出来てますかー!』
そんなハイテンションな司会の呼びかけに会場にいるであろう生徒たちがワーッと盛り上がる。
あーやだやだ
「椿葵くんの衣装かわいいね」
「伊吹くん…」
ステージの袖で急に声を掛けられたと思ったら、中間発表の時とは違う浴衣を着た伊吹くんだった。
白地に紫の蝶々の柄で、少し大人びて見える。
「伊吹くんの方がかわいいよ。浴衣、すごく似合ってる」
「ふふっ、そうかな?ありがと」
伊吹くんは少し照れたように笑った。
俺の衣装は、椿の花をイメージしたらしく、深めの赤い色のワンピース。後ろにはフードが付いてて、まるで赤ずきんのようだ。
スカートの裾と袖には小さな白い花の模様が刺繍されている。
衣装はかわいいと思うけど、でも自分が着るのとでは違う。
「伊吹くん、こちらにスタンバイお願いします」
「はぁーい。じゃあ椿葵くん、頑張ろうね」
「う、うん…」
頑張ろうも何も結果は出てるわけで。
昨日の中間結果通りになってれば、俺はむしろこの場にいなくてもいいとさえ思ってる。
「椿葵くん、スタンバイお願いします」
「…はい」
憂鬱な気分になりながら俺は指定された位置へ立つ。
『それでは選出者の方々に登場してもらいましょー!』
と、司会が言ったら、また会場が盛り上がった。
『まずはミスター選出者から登場です!』
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