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柊が来てくれてた…?
どうして…
「医務室行く?」
「や、多分平気…でも、」
泊瀬くんの声かけに答えながら、俺は気がつけば、小走りで教室の方へ向かっていた。
「ちょ、椿葵くん!?あ、会長、ありがとうございました!失礼します!待って、椿葵くん!」
後ろから泊瀬くんが湊人先輩にお礼を言ってから、俺を追いかけてくる。
あ、湊人先輩にちゃんとお礼してない…。
でも、それどころじゃなくて、体が勝手に動いてる。
柊に会わなきゃって。会いたいって。
でも、結局追いつけなくて、急に走ったせいかまた吐き気が込み上げてきて、近くのトイレに駆け込んだ。
これ以上は泊瀬くんに迷惑をかけられないなと、大人しく医務室に向かうことにした。
「あら、椿葵くんじゃない。今日はどうしたの?」
「あ、えっと…」
「気持ち悪いみたいで、ここに来る途中も何度か吐いちゃって…」
口籠ってたら泊瀬くんが代わりに答えてくれた。
「あら、大変。熱は…無さそうね。とりあえず休んでいきなさい」
と、三波先生はベッドのカーテンを開けたくれた。
「貴方は椿葵くんのクラスメート?」
「はい、付き添いで…」
「授業も始まっているし教室に戻りなさい。放課後に彼の荷物持って来てもらえる?」
「分かりました。椿葵くんのことお願いします。椿葵くん、無理しないでね?後で柊くんに来てもらう?」
「…ううん。あの、泊瀬くんに荷物お願いしてもいい?」
一瞬なんとも言えない表情をした泊瀬くんだったけど、分かった、と頷いてくれて、医務室から出て行った。
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