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柊side…
「蒼衣…」
「ごめ、ごめん…ッ…行か、ないで…ひとりに、しないで…っ」
「大丈夫、どこにも行かない、離れないから。もう、疲れたでしょう?ゆっくり休もう?ね?ほら、目を閉じて」
「っ…う、ん」
しゃくり上げながら泣いていた蒼衣は、少しずつ落ち着き始めたのか目を閉じてゆっくりと呼吸を繰り返す。
そして棚にもたれ、蒼衣は眠りについた。
蒼衣が完全に眠ったのを確認してから、倉庫内の電気を点けた。
「ッ…!」
明るくなったことで分かった蒼衣の姿に俺は驚きのあまり、声も出なかった。
それと同時に腹が立った。
蒼衣の太ももには血が伝った跡が残っていて、縛られていたのか手首にも跡が残っている。そして、額にも血が滲んでいるし、頬も少し赤くて、口の端が切れてる。
床にも血と精液が混ざったような液体が散っている。
どんな苦痛を受けたのかと、どれだけ辛かったのかと、それを思うと自然と涙が溢れた。
「蒼衣…助けてあげられなくてごめん」
床に散らばっていた制服を拾い、自分が着てきたパーカーを蒼衣に被せて、ほとんど身長の変わらない蒼衣をなんとか後ろに抱えた。
余程疲れているのか、こんなに動かしても蒼衣は目を覚ますことはなかった。
そして蒼衣を背に寮に向かった。
本当は医務室がいいのだけど、20時半を過ぎ21時近い今の時間では医務室どころか学校は閉まっている。
だから、あらかじめ海と朔弥に連絡しておき、手当の準備をしてもらっておいた。
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