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学校へ続くいつも通る道を歩いていると、普段より少し早いからか、いつもより生徒は少ない。
それでも、急に人が横を通り過ぎようとすると、少し驚いてしまう。
体が勝手に反応する。
そして、トンッと軽く肩が当たっただけで、怖くなって、隣を歩いている柊のブレザーの裾を掴んだ。
「ん?どうしたの?大丈夫?」
「う…ん」
そういえば、柊とは文化祭以来全然話せてなくて、避けられてるような気がしてたけど、この間の一件で、距離感は前に戻った気がする。
一緒にいてくれるし、避けられるなんてことはない。
「無理してない?ほんとに平気?」
「柊がいるから、平気…」
なんて少し強がるも、掴んだ裾は決して離さない。
柊は小さく笑って、また前へ向き直り歩き始めた。
柊が居てくれなきゃ学校にすら来れなかったかもしれないなと思いつつ俺たちは教室へ向かった。
途中で、湊人先輩に会ってしまった。
「あ、蒼衣くんおはよう」
「……っ…はよ…ございますっ」
変な間が空いてしまった気がする。
でも今更取り繕えなくて、そもそもこんな風に話すのが一方的に気まずい。
「俺先行こうか?」
柊は気を遣ってか、そう言ってくれたけれど、俺は首を振る。
「蒼衣くん体調でも悪いの?」
「っあの、すみませんっ」
「ちょ、蒼衣…!」
俺は握っていた柊の制服の裾を離し、早足で湊人先輩の横を通り過ぎようとした。
のに、湊人先輩に腕を掴まれた。
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