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教室の中に入ると、ざわざわしていた空気が一瞬にして静かになる。
え、なに…?
何このみんなの反応…
まさか…
「椿葵くん!今、他のクラスの子から聞いたんだけど、Cクラスの小桜くんと抱き合ってたって本当!?」
「へ…?」
クラスメイトからの突然の質問にポカンとする。
「今見たって。なんだか只ならぬ雰囲気だったって。もしかして2人って付き合ってるの!?」
「この場合は椿葵くんがタチになるのか!?」
「いーや!小桜くんがタチって言うのもアリだな!」
会話にはついていけないけど、安心した。
この間のことが噂にでもなってるのかと思って焦った。
なんて考えてたらガラッと教室の扉が大きな音を立てて開いた。
「おい、蒼衣!今廊下で噂になってんだけど小桜くんと抱き合ってて、実は付き合ってるって嘘だよな!?」
「ひ、柊…?」
「聞いてんだろ!違うよな!?」
「ち、違うよ!っていうか柊、話し方がいつもと違う」
「え、あー…ごめんごめん。取り乱した。…ふぅ」
俺に言われて柊は一息ついた。
「びっくりした。俺のこと置いて行っちゃうし、追いかけようと思ったら、今度は噂が聞こえてきて、思わず聞き回っちゃったよ」
「ご、ごめん」
「いや、別に謝ってもらいたいわけじゃないんだよ。まぁさっきのは仕方ないよね、うん」
"さっきの"とは、湊人先輩の腕を振り払ってしまったことを言ってるのか、逃げてしまったことを言ってるのか、置いていってしまったことを言ってるのか。
多分全てだろう。
「俺、湊人先輩とどんな顔して会えばいいのか分からない」
「当然だよね。事の発端は会長にあるわけだし」
「そんなことない!…俺が悪いんだよ」
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