アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
258
-
「途中まで一緒に行くよ」
「うん、ありがと」
心配してくれる柊と一緒に俺は東棟の屋上に向かった。
屋上に繋がる階段下に柊を残して、俺は屋上の扉をガチャリと開けると、そこに居たのは一人だけだった。
「あ、椿葵先輩!」
「えっと…これは君が?」
「はい、そうです!」
走り寄って来た後輩は、俺よりも15センチ以上高い気がする。
チラリと見上げる。
朔弥と同じくらい、それ以上あるかも。
なんてどうでもいいことを考えていたら、目の前の後輩は口を開いた。
「あの、俺、入学式で初めて椿葵先輩のこと見てからずっと気になってて、その、今すぐに付き合うとかじゃなくて、先輩後輩として、仲良くしてもらえませんか!」
バッと頭を下げられる。
「え?」
「椿葵先輩、部活も入ってないじゃないですか。だからこうでもしないと近づけないと思って。だめですか…?」
「えっと、うん。いいよ」
最初からそういう風に言われるのは初めてで、少し戸惑ったけれど、俺は頷いた。
「良かったー…」
安心したように、後輩はふにゃりと笑った。
「あの、俺1-Aの宙知凌玖(そらちりく)って言います!よくソラなのかリクなのかって突っ込まれます!これからよろしくお願いします!」
手を握られ、ブンブンと振られた。
連絡先の交換をして、俺は屋上を後にした。
「宙知?」
「うん」
「そいつバスケ部だわ。爽やかなやつだっただろ。しかもバスケ上手いから次の公式試合で多分レギュラー入りするんじゃねぇかと思う」
「えっ、そうなの?身長高かったしなぁ」
食堂で4人で夕ご飯を食べながら、昼のことを話していたら、宙知くんがバスケ部の後輩だと発覚した。
「椿葵先輩ー!」
「噂をすれば…」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
260 / 371