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「柊のせいじゃない…」
「蒼衣はそう思ってくれてても、それでも俺は、俺のせいだと…」
「やめて。そんなこと、言わないで…」
柊の手を取って、ぎゅっと握った。
「まだ、たまに怖いと思うこともあるし、無意識に手とか、振り払っちゃう時もあるけど、でも、ちゃんと…」
「蒼衣、無理しないで…」
「無理なんかしてないっ…柊が居てくれたから、俺は…」
先の言葉は出てこない。
その時だった。
ガラッと勢いよく教室の扉が開いた。
ビックリしてパッと柊の手を離した。
扉の方へ振り返ると、
「椿葵先輩!まだいた!良かった!」
「宙知くん、どうしたの?」
「一緒に帰りませんか!」
「え?あぁ…」
チラリと柊を見たら、仕方ないって顔をしていた。
「…いいよ、帰ろっか」
「二人で何してたんですか?」
「えっ?」
「いや、だって…教室誰もいないじゃないですか」
「喋ってただけだよ」
柊が答えた。
「そうなんですか?…椿葵先輩、俺とも喋ってください!」
「あ、うん」
教室を出て寮に向かって歩き始める。
「そういえば、最近寮で盗撮があったみたいですよ!椿葵先輩可愛いから、気をつけてくださいね!?」
「何その話?」
「さっき先生たちが話してるの聞いたんです」
「……」
盗撮…
「椿葵先輩?どうかしました?」
「え、あ、ううん、何でもない。暗くなって来たし早く帰ろ」
「はいっ」
と三人で寮へと帰った。
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