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「痛い?」
「いや…大丈夫、です。」
鳩尾辺りで組んだ腕を梯子縛りとやらで縛られた後、雰囲気にあった敷布団に支えられながら体育座りをする。
手が使えない事でバランスが崩れ、横にパタンと倒れれば、足首を掴まれる。
はるさんの顔は心無しか上気していて、とても楽しそうだ。
身動きが取れなくなるのはもどかしいけど、別に嫌っていうわけでもなく普通。
「ね、もうちょい縛ってもいい?」
成程、これは確かにあのサイトに登録してる人だ。
興奮で掠れた声は更に色気を増してて、女性なら卒倒だろう。…三毛猫さんもメロメロになりそうだなぁ…。
「…構わない、ですよ。」
俺がそう言えば腕を縛った余りで体育座りの形のまま足も梯子縛りで囚われる。
ん…?これ俺縛られてるだけで何もしてない。今の状態で理解しようと思えば出来るものってどちらかっていうとM男じゃないか?!
「その顔、気付いちゃった?…でもね、無駄だよ。Sの気持ちを理解なんて。」
あ。とだけ声を上げた俺をニンマリと笑ったはるさんが見る。
「だって、今のハル君の顔凄いよ?紅くなって目は潤んで、喉が唾を飲み込む音が鳴ってる。キツく結べば恍惚とした雰囲気で緩く笑ってるの。全部無意識?」
は…?いやいやいや、そんな事ない。
「いや、そんな、別に俺」
「Mじゃない?」
突然言われたことに言葉が上手く出てこないで、はるさんの言葉に必死にうなづく。
「本当に?」
「…ほ、んと…。」
そうじゃないにしてもあんな事を言われると恥ずかしい。
熱くなる顔を抑えられずに、はるさんから逸らしながら答えれば、ふーん。と返される。
「本当じゃないでしょ、ハル君。君はどう見てもMの素質があるよ。だってさぁ。」
逸らした事で見えた右耳にエレベーターの時よりも低く掠れた甘い声ではるさんが囁く。
〝縛られて嫌じゃなかったでしょ?〟
かかる吐息に腰からゾクゾクとした得体の知れない恐怖と快楽が脳天まで走った。
「やっぱり。俺達絶対相性いいよ。ね、ハル君は心の中で誰かに服従する事を願ってる。」
「そんなことn」
「あるよ。俺には見えるよ、わかる。ハル君はMだ。ドSドSと言われてる事に落胆するのは君が本当はMだから。」
「…ちがっ」
「違わないよ。ほら、その可愛い怯えた瞳で俺を見て言って。〝御主人様〟って。」
「はぁ?そんなこと言う訳!」
「…はやく。きっと悪いことは無いよ。ハル君にとっても、俺にとっても、ね?」
笑顔の圧が重い。オーラが怖い。こんなの
断れるわけないじゃんか。
「…ご、しゅ…じ、……ま。」
「聞こえない。」
「ご、主人…さ、ま。」
「はい、よく出来ました。」
そう言って満面の笑みで俺の頭を撫でる。
そうだこの人Sだった。
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