アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
11
-
電車に揺られて30分程度。
下車した駅から徒歩5分ほどの高層マンションを指さして聖さんは ここだよ。と笑った。
職業的にも納得だけど…お金あるんだなぁ。
高くそびえる建物をてっぺんまで見上げればクスクスと笑われてしまう。
「無邪気な子供みたいだね。」
そりゃ、こんな所住めないからな!!興味湧いちゃうのも仕方ないし。
「こういう所来ませんから…。」
思わずガチトーンになってしまえば、聖さんは 「なら、住んじゃうー?」なんて軽口を叩きながら先に 入っていってしまう。
追いかければ やはり広くてついつい辺りを見回してしまう。
田舎者臭くてごめん、聖さん。
「早くおいで、ハルくん。」
「…はい。」
綺麗で広いエントランスを抜けてエレベーターに乗る。
地味な沈黙に耐えられず口を開いてしまった。
「凄いですね、何階まであるんですか?」
「んー、55階くらいじゃなかったかな?」
曖昧な返事が返ってくる。
はるさ…聖さんの手元を見ればエレベーターのボタンは15階までしかない。
「ここエレベーター途中で乗り継ぎ式でさ、直通で上まで行かないんだ。」
「15区切りですか。」
「そそ、住んでるのが42だから、45まであるのは知ってるんだけどね。多分55くらいだよ。」
苦笑する顔もかっこいいって罪だと思う。
ていうか、42階に住んでるって半分天空じゃない?
そのまま特に会話もなく何処か気まづいまま聖さんの部屋に着く。
「お邪魔します。」
玄関は広くて玄関を区切る扉の先には真っ直ぐ伸びる廊下があり、手前には右に曲がる廊下がある。
聖さんについて、扉の先へ行けば広くてさっぱりしたモノトーンのリビングに着いた。
「取り敢えずソファ座って待っててよ。お茶いれてくるから。」
俺の頭をポンと叩けば、廊下にあった入口からキッチンへ入っていくのが見える。
成程、リビングとキッチンがバーカウンター式になってるのか…。じゃなくて。
取り敢えずリビングの真ん中を陣取る大きな黒革ソファの端に座る。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
11 / 19