アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
嘘吐き
-
「ただいまー……。」
誰もいない部屋に告げる。
その声はいつもより重かった。
あの後まふは何気ない笑顔でありがとうございますと告げた。泊まるかどうか聞いてくれたのだが、流石に帰宅を選択した。
あのままうまく笑えるだろうか不安だったし、なにより、2人きりという空間がなるせの背中を悪戯に押すように理性が揺らいだ。
どさっと荷物を床に起き、すぐさまベットへ倒れ込んだ。
「疲れた。」
まふの好きな人はそらる。
俺の好きな人はまふ。
それに、見た感じそらるもきっと、まふのことが好きなんだろうな…。
そう考えていくうちに視界がぼやけていった。
生暖かいものが頬を伝う。
あれ、俺…泣いてる…?
情けないな。
このままだと気分が沈んでしまいそうだ。
そのまま、黒い何かに飲み込まれてしまった方が楽だろうか。
きっと、届かぬ人への想い。
今更遠ざかったって。
寧ろ、そっちの方が楽だったり…?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 8