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俺は湊の袖を掴みながら歩く。
そういえば、いつも隣に並んで歩いてるけど、
こいつ、俺に歩幅合わせて歩いてくれてたんだな。
そう考えるとなんか嬉しいというか悔しいというか。
そんなことを思っていると
「朔、どうしたの?ニヤついたり難しい顔したりしてるけどw」
湊が面白そうに言う。
「別になんでもない!」
お前のこと考えてたなんて、恥ずかしくて言えない。
「本当かよ」
湊はからかうようなトーンで言ってくる。
「本当でーーす」
俺はこれ以上言及されまいとほっぺたを膨らませて言う。
「…っ…可愛い」
そう言いながら湊は頭を押さえた。
「お前、そればっかだな」
「朔が可愛いのが悪い」
「気のせいだろ」
湊が真顔になって言ってくるので俺も思わず真顔になる。
そんなやり取りをしながら俺たちは割と距離がある映画館までひたすら歩いた。
ーーーーーーーー
「やっと着いたー!」
「やっぱりバスの方がよかったな」
歩いて行こうと言い出した湊が申し訳なさそうに言う。
「ん?別にいいじゃん、歩くの大事だぞ」
俺はニッと笑って言った。
「そっか、ありがとな」
湊はそう言ってふっと笑うと俺の手を引いて
「じゃ、チケット買いに行こ?」
と言った。
湊の笑った顔やっぱり綺麗だと思った。
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