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こう
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そんな気持ちを抱えたまま始まった、入学式。俺の隣の席は空いていて、その隣が悦都、蒼介と言った順番だ。こんな日まで遅刻とか、絶対不良とかそう言うのなのかもな。
扉の開く音と同時に聞こえてきたのは、騒がしい声。もう1人のイケメン君かな...俺の隣じゃなかったらいいけど。隣に座る子は女の子がいいな。
「おはよう。俺の名前は、星野 紅。よろしくね」
赤という派手な髪色をした奴が俺の前を通ったと思えば、聞こえてきたのは低い男の声。もしかして、声が低いだけでと言う期待を持って振り向いて見ると、眩しい笑顔をこっちに向ける、イケメンの顔があった。
「おはよう。俺は晋夜。よろしく」
紅は俺だけに挨拶して、他の人には挨拶していなかった。それになんの意味があるかなんて、緊張してる俺には考える隙間もない。
呼ばれた名前に返事をして、ステージに上がる。それだけのことだ。人に見られる事なんて、慣れてたはずなのに。紅に肩を突かれて、振り向く。
「緊張してるの?俺のこのキャンディーあげようか?これ、美味しいんだ」
「ありがとうな。紅の頭ってなんでも出てきそうだな」
頭から出されたキャンディーを口の中に放り込む。式は始まって、お偉いさんが話す。紅と違ってあいつの頭は毛が少ないな…。脱毛とかしてるわけ..ないか。
長い話がいつまでも続きそうだ。隣の紅はもう寝てしまっている。起こさないとと思いながらも、つまんないから俺も寝そうになる。
やっと終わった話にその場にいた全員が溜息をつく。俺もあんまり長く話すとしんどいから、短く終わらせようかな。
名前を呼ばれて、ステージの上に上がる。紅や悦都、蒼介の顔が遠く見える。たくさんの人がこっちを見ていて、騒がしい声が聞こえて耳を塞ぎたくなる。
「うるせぇんだけど...黙って座れねぇの?まじで、お前ら赤ん坊みたいだな」
大声を出してみんなを鎮めてくれたのは、蒼介だ。俺は今にも、抱きしめに行きそうになったけど、変人扱いされるに決まってるから、ステージの上から、蒼介に向かって微笑んで置いた。後から、恩返ししよっと。
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