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結局、葛西は退学処分になった。最後まで俺の名前を呼び、俺を自分のものだと叫んでいたらしい。葛西には悪いが、どうしたって俺は葛西だけのものにはなれない。誰のものにもなれない。
反転した日常が収束し、さらに反転。反転した非日常が開始した。そうして俺が学校を休んでいる間に、すべてが元通りになっていた。
――すべてが元通りになっていた、というのは、ニュアンスの問題として大きな誤解を招きかねない。
正直に言えば、事件の前後で変わったことがいくつかある。
葛西が“俺たち”に与えた影響は、それほど大きかったというわけだ。
反転した日常は、やはり反転したままなのかもしれない。
反転。
「っあ、ああ……ん!」
「こんなにぐずぐずにして、
はっ、まだ薬が抜けてないんじゃないか?」
「ひっ、あ……ぅ!」
ナカを蠢く指がしこりを弾く度に頭が真っ白になる。後ろから覆い被さっている西永にキスをせがむと、とろけるような舌使いで応えてくれた。
「んっ……」
同時に背後から伸ばされた手が胸元をまさぐる。背を反らしてよがれば、ナカに入っていた指が奥まで突き刺さって、思わず甲高い嬌声が喉奥から飛び出る。
「ひぁん、んんっ、ゃあ……!!」
強すぎる刺激に涙が零れ落ちる。
「ん? やなの?」
カラカラと笑いながら、佐保が濡れた目尻をべろりと舐める。「やめてもらおうか?」なんて愉しそうに言いながら、今度は耳の穴に舌を差し込む。
イヤだけど、イヤじゃない。
それをわかってて聞いてくるところ、さすが自分がマゾヒストなだけにどう責められたら羞恥心を煽られるかを心得ているのかもしれない。
「西永くんと一緒ってのが気に食わないけど、折原くんはちゃんと食べてあげるからね」
言いながら、佐保は俺の股に顔を埋め、すっかり屹立している一物を口に含む。
「っ、あ、あ、んっ!!」
前も後ろも気持ちよくて、腰はすでに砕けていた。俺はされるがままに快楽を貪る。
「気持ひい?」
佐保の問いかけに何度も首を縦に振る。佐保は目を細めて微笑んだあと、わざとらしく音を立てて吸い始めた。腰から首筋にかけて這い上がる寒気に肌が粟立つ。ひとりでに揺れる腰の動きで脳までくらくらとしてきた。
溺れそうだと思ったし、実際溺れているのだろう。
ゆっくりと指が抜かれる。物寂しさに後ろを振り返ると、西永も俺に挿れたくてたまらないといったような顔をしていた。
「西永ぁ……」
西永の頭を抱え込み、唇を舐めておねだりする。西永はそれに応えるように自身をぬめった後孔にあてがうと、限界だったのか、一気に挿入して最奥を突きあげてきた。
「っあ……ん、んんん!!」
その衝撃で俺のものが佐保の喉奥に突き刺さる。急に締めあげられたためにあっけなく熱を吐き出してしまった。ごくり、佐保はためらいなく白濁を嚥下する。そうして、なお勃ちあがったままの俺を、ろくにほぐしていないだろうキツい後孔で包み込んだ。柔らかな肉の圧迫感に包まれ、息をつめる。
「ッ、おなか、折原くんのでいっぱ~い」
佐保はとろけるような笑みを浮かべた。自分の腹を愛おしそうに撫でている。佐保がゆらゆらと焦らすように腰を揺らすと、合わせて西永が下から突き上げる。
「ひぁん、あっ、あ、あ、あ!!」
前も後ろも快楽で満ちていて、今にも意識が飛びそうだった。なにも考えられないし、考えようという気概も起こらなかった。
「っ、折原……」
うなじに推し当てられた唇に、肌を舐める熱い吐息。胸元をまさぐる骨ばった指が赤くふくれた頂点をつまむたび、きゅっと下腹部に力が入って、嫌でもナカにいる西永を感じてしまう。
「折原くん、」
佐保は俺の口端からだらしなく垂れ流していた唾液を舐めとる。そのまま口を塞がれ、舌を絡める中で吸われたり噛まれたり、されるがままに遊ばれる。
「っは、あー、気持ちいー。ね、折原くん、気持ちいね」
「っん、気持ち、い……!」
「よかったねえ、西永くん。っ、君の粗チンでも、気持ちい、ってさ……!」
「ハッ、お前のガバガバの穴でも気持ちいいらしいな、っ」
――西永と、佐保と、俺。
これが本来あるべき姿だったのかもしれない。
俺はなにをためらっていたのだろうね。世間体なのか、矜持なのか、愛が欲しいと喚いていたくせに自分から手を伸ばそうとはしなかった。
俺の欲しいものが、すぐそこにあるにも関わらず。
「あは……気持ち…よぉ……」
“ここ”にあるにも関わらず。
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