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始まりは、
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気付いたら、隣にいた。
幼馴染。
親友。
お隣さん。
幾重の言葉にしてみても、何故かしっくりこなくて。
でも、いないと違和感。
それが俺のひろに抱く感情。
のはずだった。
「ひーろー!」
大声でひろを呼ぶと、恥ずかしそうにちょっと怒ったように、こっちを向いてくれる。
でも、幼馴染の俺に、ひろの扱いは手慣れたもん。
「今日の晩飯、すき焼きだってさ!」
ひろの大好物、それはすき焼き。
さっきまで、眉間に寄っていたしわがなくなる。クール、とか大人っぽいと、形容されがちなひろだけど、こういう分かりやすい部分もあったりするんだよなぁ。
「…へぇ」
いつも少ない言葉。だけど、それはひろが少し不器用なだけだ。
俺はひろに晩飯のメニューを伝えれたことに達成感を覚えて、1人で笑みを浮かべる。
と、頭を何故か撫でられた。
…こいつ、俺のが身長低いからって調子に乗りやがって。
他のやつにやられると、すぐ払い落とす。けど、ひろにやられるとちょっと気持ち良くて結局許してしまう。
「…お前、猫か」
無意識のうちに頭をぐりぐりとひろの手に押し付けていたらしく、そんな事を言われてしまう。
「失礼な!ヒト科ですー!」
むくれながら、返すとひろの笑い声が聞こえた。…珍しい。
「…ほら、帰るぞ」
「…お、う」
俺が馬鹿言って、ひろが宥めて、
んで、ひろが笑って、俺も笑って。
変わるなんて1ミリも疑っちゃいなかった。
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