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寒いので 【kyrt】
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とてもとても寒い日の夜。
東京にしちゃあ大雪の気候で
ベランダから空を眺めて ふと地元を思い出す。
「レトさん、雪合戦しようぜ」
ちらりとソファを伺えば、一緒に動画を撮ろうと来ていたレトさんは
ソファの上、厚い毛布に身をつつんでガタガタと震えていた。
「………こんな、寒空の下、におれ、をほうりだす、っていうの……キヨく…ックシュン!」
「……そんなに寒いの?」
という俺の言葉にキレたレトさんはおもむろに立ち上がる。
「はぁ!?寒いっちゅーもんやないわ!なんやこの天気!
暖房は故障中!おまけにこたつもストーブもない!…へっくしゅ!」
うう、と唸り 「あかんあかん」と咄嗟に放り投げた毛布をもう一度被り、また同じ体勢に戻っていったレトさん。
リスが寒さに耐えてるみたいで可愛い。
「いや、しょーがねぇだろ…レトさん家行くのだりぃし」
「おま、サイテーやな…」
「にしても、ほんまに平気なんやな、キヨくん…」
なにを言う。こちとら道民。なにが来ようと体が鍛えられているから怖いもんなしである。
…言い過ぎた。夏はあんまり好きじゃない。
「こんなんなら、来るんやなかった…も、もう今日は中止に…」
レトさんは落胆する。
「さ、動画撮ろうぜレトさん」
「話聞いてた!?」
「でも、今日撮んないでいつ撮るわけ?」
レトさんは震えながらもうーんと視線を右斜め上に。
「……ダメや…今日しか、ない…」
「…そうか~…じゃ」
もはやレトさんにひっついていた毛布を力まかせに剥ぎ取る。
「っうわあ!なにするん!?」
「―――ヤるのに毛布なんか邪魔だろ」
トン、とレトさんを押す。 膝を立てたソファは軋む。
レトさんは一瞬意味が分からないようだったが、自分が下にいて、俺に押し倒されてるのに気づいて、頬を染めた。
「なっ…!ちょ、」
「それ以上、鼻声になられても困るしな。責任取るわ、レトさん」
ごめん、と両手を合わせてお願いだけして、あとはレトさんが言葉にならない声上げて、
部屋の温度は上げられたと思う。
*
「じゃ、またなー」
「それじゃ、次回でお会いしましょう……」
Enterキーをクリックすれば、プツン、と乱雑な音が聞こえる。
録画完了の合図である。
「あー…まあ、なんとかなったな
……でもよ、せっかく鼻声悪化せずに済んだのに、なーに今頃恥ずかしそうに実況してんのか」
「~~~しょうがないやろ!?あんなっ…激しくされて……」
ハッとなってそっぽを向くレトさん。
その耳は真っ赤。
「なに?俺のテクがうまかったって?」
「馬鹿か!ちゃうわボケ!」
「なんだぁ?こっちはゲームの話してんだよ!」
…もちろん、レトさんとの行為のことをほのめかしたに過ぎない。
「…もう嫌い、キヨくん」
こんなにも可愛いから、レトさんの恋人相手はやめられない。
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