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浮 気 癖 と 嘘❼ fin.
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「レ、トさん……」
目の前の光景に愕然とした。
キヨ君は一番奥の個室に一人でいた。
服の袖からのぞかせるチューブは、どうやら点滴。
真っ白な部屋の中、赤い髪が揺れる。
キヨくんは―――いた。
おそるおそる近づき、身を触ってからようやく確信した。
崩れ落ちる俺を、キヨ君は力が少ないながらも支えた。
「…寝てて……キヨ君」
「…レトさんは座って」
・
椅子に腰かけたが キヨ君の方を見れずに俯いていた。
「なんの電話かと思ったら、聞いたんだな。フジから」
沈黙。
それを破ったキヨ君。
「ははっ。レトさんにだけは知られたくなかったのに」
「フジだからな、きっとここに俺がいるって教えてねえだろ。
この病院遠いしな。
しかもその息のあがりよう。
レトさん 探しに来てくれたんだな」
キヨ君はまたも笑う。
「なあ!今の俺探偵みたいじゃね?」
俺かっくいー!とガッツポーズをとるキヨ君。
「なんで笑ってられるん…バカじゃないの」
「…ははっ、レトさんいつも通りだ。口悪い」
確かに、いつも俺はキヨ君に口が悪かった。
ゲーム実況を撮り続けていた日常を思い出す。
涙がこぼれていく。
「本当は黙ってるつもりだったけどさ、後々無理だなって思ったよ。
なあ、レトさん。嘘ついてごめんな。
生まれ変わったら、また一緒になろうな」
顔を上げれば、最初で最後に見たキヨ君の笑顔があった。
・
・
・
キヨ君の最期はあっけなかった。
不健康すぎるから病気になんてかかったんだよ。
「ねぇ、キヨ君」
「俺はフジだよ、レトさん。」
ここは繁華街。
きょとんとした顔のフジ君。
俺はあれから、フジ君に謝って“そういう関係”に陥った。
「ごめん…間違えた」
「いいよ、レトさんだから。ほらいこ?慰め合おうよ」
「…ん」
違う、許したんじゃない。
こんなのを許すなんて、どこの誰がしてくれるんだ。
ねえ、キヨ君。
生まれ変わったら、また一緒なんだよね?
それなら俺は、この男に復讐をして、
自らであなたのもとへ行きます。
ポケットに忍ばせたナイフは、キラリと光を走らせた。
・ ・ ・
【あとがき】
浮気症 キヨ× フジ○
嘘つき キヨ○ フジ×
短編に仕上げようと思ったのですが、かなり長編っぽくなりました…('ω')
フジは、誰からにも愛されればそれでよかった性格でした。
キヨのほうは純情、仲間重いで傷つけるわけにはいかないとやむを得ず嘘をつきました。
ドロッドロな感じのもっと増えてください(土下座)
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