アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ベンチで休憩
-
仕方ないので、喉が乾いたと言うことにしてやろう。
イケメン彼氏(仮)は、颯爽とオレの飲み物を買いに行く。
具合悪いんじゃないのか?
しかも、何を飲みたいか聞かないで、行ってしまった。
気持ち悪くなって、休みたいだろうから、自分で飲み物買いに行こうかと思ったのに、飲み物屋が混んでるのを見て、オレをベンチに座らせてから、キョウヤが飲み物買いに行っちまったよ。
これ、普通なの?
スパダリ彼氏って、ここまでしなきゃなんねぇの?
大変だな、スパダリすんのも。
オレ、彼女役でいいわぁ。
コーラを持って、笑顔で駆け寄って来るイケメンがいる。
うーん。
あ、オレの彼氏(仮)、超かっこいい。
笑顔に答える。
カップル感を出してみた。
キョウヤが買ってきてくれたコーラを飲む。
やっぱオレの好きなもの、分かってるよなぁ。
なんか、可愛いキャラクターがストローに付いている。
キョウヤは、何も飲まないらしい。
「一口いるか?」
「ありがとう。いただきます。」
オレのストローからコーラを飲むキョウヤの唇、エロっ!
ってか、間接チューじゃね?!
いや、普段から良くしてるけどさ!
なんか、シチュエーションっての?!
今、絶賛カップル中だから、妙に照れる!
「サク?どうしたの?顔真っ赤だよ。」
「いや、別に!ってか、キョウヤ、こんな可愛いキャラクター付きストロー選んだのかよ。」
「サクが好きそうだったから。」
「まぁ、可愛いから好きだけど。」
ってか、可愛いもの好きなのもバレてるし。
横目でキョウヤの様子を確認する。
んー、眩しい横顔がムカつく。
キョウヤが咥えたストローでオレもコーラを飲む。
あぁ、また、間接チューだぁ。
恥ずい。
「なぁ、キョウヤ。」
「ん?なぁに?サク。」
「少し休んでもいいんだぞ。」
「え?」
「お前、ジェットコースターとか、ホントは苦手だろ?オレが好きだから、無理して付き合ったんだろ?しかも、何でもないような顔してカッコつけやがって。…バカだな。バレバレなんだよ。」
「ふふっ。サクにはかなわないな。バレてないと思ったんだけど。」
「何年一緒にいると思ってんだよ。」
「じゃあ、少しだけ、横になってもいいかな?」
「おう。どんと来い。」
フワッとキョウヤは横になったかと思ったら、…こ、これは…膝枕!!!
ひ、ひざまくらしちゃってるよ、オレ!!!
なんか、めちゃくちゃラブラブカップルっぽいじゃん。
おいおい、通りすがりの人、こっち見てるー!
恥ずかしいわぁー。
ビビってコーラひっくり返すかと思った。
ジュッ!と飲み干して、そっとベンチの横に置いた。
膝枕、めちゃくちゃ恥ずかしい。
でも、今は、キョウヤ、具合悪いし、仕方がないから、頭でも撫でてやるか。
サラサラの黒髪、撫で撫ですんの気持ちいい。
指通りがいいから、持ち上げてサラサラって遊んでみる。
耳をつまんでみたり、ほっぺを突っついてみたり…。
「サク…くすぐったいよ?」
「あはは。キョウヤのほっぺ、柔らかいな。なんか、耳、可愛いー。」
「いたずらっ子だなぁ。」
コロンと寝返りをうち、オレの方を見上げてくるキョウヤ。
おわっ!
至近距離にイケメンが表れた!
「キョウヤのデコー。つるつるー。ニキビ、ねぇの?」
「…できないね。」
「お前の眉毛って、男らしくてうらやましいー。シュッてしてるよなぁ。」
指でキョウヤの眉をなぞる。
ショリショリってしてて、気持ちいいかも。
キョウヤの眉毛、初めて触ったわ。
「サクの下がった眉、可愛くて好きだよ?」
「やだ、これ。困った顔してるみたいじゃん。」
「可愛い。」
じっと見つめ合うオレたち。
「可愛くないし。可愛いって言うな。」
「ふふっ…。サク、ありがとう。デートしてくれて。」
「ん。」
「ごめんね。具合い悪くなっちゃって。格好悪いな、オレ。」
「バーカ。今さらカッコつけても、意味ねぇし。」
べぇっー!と舌を出す。
「ふふっ。サクの舌、可愛い。美味しそう。」
「きもっ!そーゆーこと言うから、カッコつかねぇんだよ!変態!」
「あははっ。」
「笑ってごまかすな!」
いつの間にか、キョウヤの顔色が良くなってきたみたいで、ほっと一安心。
「ありがとう。サク。本当にありがとう。大分良くなってきたよ。」
「ん。良かった。仕返しなんかしちまって、ごめんな。」
「オレこそごめん。サクがお化け、苦手なの知ってて、意地悪してしまった。怖がるサクが可愛すぎて…。」
「…あれは、ニセモノだって分かってても、ダメなんだよなぁー。」
「ギュッて、オレにしがみついてきて、興奮した。」
「…ヘンタイ…。」
「今も可愛い彼女の膝枕に大興奮だよ。」
「男の幼なじみの膝枕に興奮できるってのが謎だけどな。」
「サクのだから。」
「オレの膝枕なんて、かたいだけだろ。」
「そんなことないよ。柔らかくて気持ちがいい。それに、いい匂いがする。」
「匂いかぐなよ…。」
「サクって、いつも美味しそうないい匂いがする。」
「マジか。キョウヤは、ときどきミントの香りがするよ。」
「そうなんだ。自分では気付かない。」
「オレだって自分の匂いとか、わかんねぇよ。しかも、美味しそうなって…。ハンバーグとか唐揚げみたいな?」
「んー、どちらかというと、甘い匂いかな?ハチミツみたいな。」
「男の体からハチミツの香りがするとか、無いだろう!もっとケモノの臭いするだろ!」
「サクって、汗もいい匂いだよ。」
「それはない!汗だぜ!汗!」
「あはは。オレたち、何の話してるんだろうね。お互いの体臭を褒め合うなんて。」
「ほ、褒めてねぇよ!」
「ミント、好きでしょ?」
「まぁ、嫌いじゃないけど。」
「ふふっ。オレもハチミツの香り好きだよ。一番好きなのは、サク本人の匂いだけど。」
「なっ!何言ってんの、お前!」
「サクが好きってこと。」
「バッカじゃねーの!」
「耳まで真っ赤。可愛いね。」
「うるせー!具合悪いヤツは寝てろ!」
「もう元気だってば。」
「じゃ、次行くぞ。ほら、起きろ!」
あまりにも恥ずかしくてキョウヤをベンチに置いて、先に歩いてしまった。
思わず照れてしまった。
好き好き言われるのは慣れてるはずなのに。
なんか、キョウヤ、いつにも増して甘い雰囲気出してくるし。
不覚にもキュンときちまった。
恋人ごっこだって分かってんのに。
もしキョウヤと付き合ったら、キュンキュンさせられて、休む暇ねぇなあ。
とか、バカなこと考えちまう自分にビビる。
なんか、今、めちゃくちゃカップルっぽくないか?
オレら。
「サク、待ってよー。」
「置いてくぞ!」
まだ、照れて顔が熱いので、できるだけ早歩きをする。
なんか、キョウヤ、マジでオレのこと、好きなのかな?
とか、勘違いしそうになってしまった。
いや、いつものジョークだよな?
オレ、何ときめいちゃってんの?!
膝枕なんかして、ネジ、何個か、ぶっ飛んじまったのか?
ベンチで膝枕って、ヤベェよな。
ラブラブカップルすぎだろ。
イチャイチャしすぎ!
マジで、リア充じゃん。
爆発しろって。
飲み終えたカップは、キョウヤが捨ててくれた。
可愛いストローは、鞄から突然出てきたビニール袋に回収された。
なんでんなもん持ってんだ?
手早い動きにビビったが、あえて突っ込むのをやめた。
あまりにも嬉しそうな顔をしていたから。
「デートの記念ができた。」
そんな嬉しいか?
ってか、それ、持ち帰ってどうすんだよ。
洗って使うのか?
まぁ、ひとまず、キョウヤの具合も良くなったみたいだし、安心した。
デートの再開だ。
尻触らせてやるの忘れてたわ。
また今度な。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 262