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おねだりされた
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「あー!うまかったぁ!!!彼女だけのオリジナルケーキも、ほんとうまかったし。また、行きたい!」
「また、シようね?デート。」
「女装しないとスイーツ食えねぇのかぁ…。」
「オレは、サクの服装なんて気にしないけど。」
「男二人でスイーツは、キツいだろ。」
「そうかな?」
「気にしないなら、いいけど。」
「また、行こうね。」
「ん。」
園内をぶらぶらしていたら、キョウヤが足を止めた。
「どーしたぁー?」
「あれに乗りたいな。」
「ん?どれ?」
どーーーん!!!
観覧車…!
こ、これは、恥ずかしいな。
「ダメ?」
可愛くおねだりしてきたよ。
出た!イケメンの無駄遣い!
オレは、コレに弱い。
そして、キョウヤは、それを知っている。
「はぁー、わかったよ。一回だけだぞ。」
「ありがとう。サク。大好きだよ。」
「はいはい。どーも。」
まったく、オレも、キョウヤに甘すぎるよなぁ。
並んでいるのはカップルだけ。
他にも家族連れとかもいそうなのに、ここの観覧車は見事ラブラブカップルのみ!
何故か窓ガラスはミラータイプになっていて、中が見えないようになっている。
回転速度も随分とゆっくりだ。
降りてきたカップルが、めちゃくちゃ密着してる!
ん?
女の子の方が、フラフラしてる。
男はそれを支えてる。
中で何やってきたんだよ?!
何気なく上を見上げてみると、揺れてる!
え?!
なんか、ヤッちゃってないか?!
アレ!!
ってか、オレ、そんな観覧車に乗せられそうになってるわけ?!
大丈夫か?
キョウヤに襲われたら、抵抗する自信ない。
力じゃ、まず勝てないし。
甘い雰囲気に流されちまうかも。
ぐるぐる考えていたら、オレたちの番が来た。
「はーい!楽しんでいってらっしゃーい!」
係の人の甲高い声を背に、二人きりで観覧車に乗り込んだ。
オレ…大丈夫かな…。
「サク、どうしたの?」
「いや、別に…。」
「オレのわがまま聞いてくれてありがとう。」
「おぅ。」
「大好きだよ。」
「ん、オレも好きだし。キョウヤは、オレの大事な親友だ。」
「…ありがとう。いつまでも、サクの隣にいたい。」
「いるだろ。隣に。」
「これから先も。」
「あぁ。しばらくは一緒だろ。高校も同じだし。今年一年はクラスも同じだったしな。」
「大学も仕事も同じがいい。」
「あはは。んなの、無理に決まってんじゃん。」
「無理なんかじゃないよ。」
「キョウヤ…それは、親友でも重いぞ。」
「え、気を付ける…。もう一緒にいないとか言わない?」
「言わねえけど。あんま怖いこと言うなよな。」
「ずっと一緒にいたいっていうのは、…怖い?」
「変だろ。一緒すぎなのは。程よい距離感、大事だろ。」
「オレたちは、ただの親友じゃない。幼なじみだし。」
「まぁ、兄弟みたいなところもあるけどさ。」
「恋人でもある。」
「それは違うけど。」
「…。」
「悲しそうな顔すんなよ。」
「サクと恋人同士になりたい。」
「無理。」
「どうして?」
「男だし。オレもお前も。」
「そんなの理由にならないだろ。サクは、オレのこと嫌い?」
「嫌いな訳ないだろ。好きだけどさ、そういう好きじゃないと思う。」
「この観覧車の中で、オレたちの関係について確かめ合おう?」
「んなことできんの?」
「できる。」
すげぇ自信だな。
キョウヤって、賢いくせにたまにわけわかんない。
「サク…大好きだよ。」
「おう。」
「今日は、デートに付き合ってくれてありがとう。」
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