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セーラー服と手繋ぎ
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にょたになって、三日たった。
あんなにしたのに、戻っていない。
今日は学校だぞ。
どうする、オレ?
「サクちゃん。これ、間に合ったから、学校に着てってね。」
母さんから渡されたのは、セーラー服…。
ん?
「学校には連絡しといたから、大丈夫よ。キョウヤくんもそばにいてくれるし、困ったら、すぐに頼るのよ?」
「え?オレ、この格好で行くの?百瀬サク、女の子になりましたって?!」
「今日は、女の子風ですが、気にしないでくださいって、言っといたから、大丈夫よ。」
「へ?何それ?」
「大丈夫、大丈夫。みんな、やっぱり、サクは女の子だったんだなぁーと納得するだけよ。」
「戻ったら、どーすんの?」
「また、学ランを着たら?」
「…そーゆーもんなの?」
「そーゆーもんよ。男の子に戻っても、セーラー服が良ければ、着てもいいし。好きな方を着ればいいのよ。」
ずいぶんテキトーだけど、大丈夫なのか?
前なんか、サラシ巻いて、バレないように必死こいてたのに。
サラシの代わりにブラジャーを渡された。
母さんに装着の仕方を教えてもらって、なんとかできた。
女子ってすげぇ。
パンツはちっちゃい。
頼りないな、パンツ。
セーラー服も着て、準備できた。
リビングへ行くと、
「サク、可愛い!」
母さんは、満足そうだ。
親父は、涙を流しながら、スマホを構えている。
キョウヤは、もう外で待っているらしい。
母さんに髪の毛を結んでもらってから、玄関へと急ぐ。
ポニーテールが揺れている。
新しい靴を履き、ドアを開ける。
キラキラした笑顔が眩しすぎる。
オレの彼氏、かっこ良すぎ。
「サク、おはよう。」
いつも通りのあいさつをしてくれるキョウヤ。
「今日も可愛いね。」
いつもの可愛いねが来た。
でも、なんか、今日は照れる。
「どうしたの?サク?」
「なんでもない!セーラー服、変じゃないか?」
「セーラー服も学ランもどちらも可愛いよ。」
「マジで彼女になっちまったよ。」
「ふふっ。手、繋ぐ?」
「つ、繋がない!」
「あはは。いつものサクだね。緊張することないよ?サクは、男の子でも女の子でも、可愛いのには変わりはないから。」
女として登校するのは、初めてなんだから、緊張するなってのが、無理だろ!
セーラー服だし、胸でかいし、髪の毛の長いし、どう見ても女の子だし!
今までのオレと、全然違うし!
「ほら、サク、行くよ?」
手を握って、引っ張ってくれた。
不思議と安心する。
いつもはオレがキョウヤの前を歩いていたのに、今日は違う。
キョウヤがオレを導いてくれている。
頼もしい彼氏だな。
背中、広くて好き。
飛び付きたくなる。
シュッと伸びた背筋もキレイだなって思う。
手を繋いで登校したのは、今日が初めてだった。
なんか、いいな、コレ。
あ、いつもなんだかんだ言って、手繋いでたか。
遅刻するから、走れ!とかね。
でも、何も理由なく手繋ぎ登校は初めてかもな。
恥ずかしい。
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