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突然の
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二人でふらふらと散歩。
小さな子がお母さんと二人で歩いている。
すごく元気な男の子だ。
お母さんのスマホに着信があり、一瞬、男の子から目を離した。
その隙に男の子が道路脇へ行ってしまった。
小さな花を見つけたようだ。
咄嗟にオレは男の子の元へ駆け付けていた。
車が来ているのが見えたから。
男の子も運転手もお互いのこと、気付いてないみたいだ。
男の子を抱きしめて道路に身体を投げ飛ばす。
不思議とどこも痛くない。
えっ…、赤い…。
オレの血?
まさか、この子の?!
男の子と目が合った。
「大丈夫?」
「うん…。あっちのお兄ちゃん…。」
「あっち?…キョウヤ…?」
オレたちを庇ってキョウヤが車に…はねられてしまった…。
この血はキョウヤのものだ…。
「サク…、大丈夫?その子も?」
「うん!オレたちは、大丈夫!キョウヤ?!キョウヤ…!!やだ!死んじゃやだ!」
「…サクが無事なら良かった…。」
「良くない!キョウヤが無事じゃなきゃダメ!」
「…大丈夫。泣かないで?…愛しているよ、サク。」
「やだ!キョウヤ…!キョウヤ…!!」
「…。」
その後、男の子のお母さんが救急車を呼んでくれた。
病院に運ばれたキョウヤはすぐ手術。
オレも念のため検査をしたが異常なし。
キョウヤも無事手術を終えることができた。
キョウヤの親父さんと、オレんちの両親も病院に駆け付けた。
オレたちは同じ病室。
キョウヤはまだ眠っている。
頭に包帯を巻いて痛々しい。
オレのせいだ…。
でも、身体が勝手に動いてしまった。
男の子は無事で良かった…。
キョウヤに怪我をさせてしまった…。
キョウヤを失うんじゃないかって、本当に怖い。
規則正しい呼吸をしているキョウヤを見て安心する。
早く目を開けて…。
抱きしめさせて。
病室に両親たちが入ってきた。
「サク、大丈夫か!」
「ん。オレは大丈夫。」
親父に力いっぱい抱きしめられた。
「キョウヤの親父さん。ごめんなさい…。」
「サク君が謝ることじゃないよ。サク君が無事でキョウヤは安心しているさ。」
「キョウヤ君、そろそろ麻酔も切れるみたいだから、目を覚ますと思うよ。サクは、明日退院。キョウヤ君は、1週間ほど様子を見るってお医者さんが言っていたわよ。」
「そっか…。」
「学校には連絡しといたから。マモル先生、今から来てくださるって。」
「ん…、ありがと。」
キョウヤ…。
麻酔、もう少しで切れるんだ。
早く目を覚まして…。
いつものように柔らかい笑顔をオレに向けて、名前を呼んで?
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