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上目遣いの破壊力【zmrb】
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※ゾム視点
ロボロは低身長だ。周りからホビット族とイジられるくらい。別に俺は気にしなくてもいいと思う。小さい方が小回りきくし、何より弓で狙い難い。
「ロボロ、お前相変わらずちっさいなぁ。」
「やかましい!」
しかし、本人はめっちゃ気にしてる。頭を撫でようものなら、容赦なく叩き落とされる。
さて、どうしたもんか。
「ロボロ、入るで。」
エーミールのお遣いで来たが、ロボロはどうやら眠っているみたいだ。いつもの顔に貼ってある紙も外している。
(おお、珍し。)
寝る時以外は貼りっぱなしだから、こうして素顔を見るのはかなり久し振りだ。じっくり見ると、睫毛長いなぁとか、色白やなぁとか思う。
(ちょっとくらいええよな?)
手を伸ばして、髪に触れてみる。猫みたいにふわふわして、柔らかい。
思わず撫で続けていると、
「ゾム…何やっとんの…?」
ロボロが起きてしまった。ぱっと手を退ける。
「あ、悪い。」
「別にええけど、何か用?」
体を起こし、こっちを見つめてくるロボロ。ここで、これを読んでいる諸君に思い出してもらいたい。今、ロボロはいつもの紙を顔に貼ってない。だから、今巷で噂の上目遣いっていうやつになっている。
「っ…!」
「ん?どうした?」
大きな目がじっと見つめてくる。かわいい、と思ってしまった俺は平常心じゃいられないわけで。無理矢理視線を外して、早口で要件を伝えた。
「え、エーミールが呼んでたで。それだけ伝えに来た。それじゃ。」
少し小走りで部屋を出て、自室に戻る。
着いたとき、ヘナヘナと情けなく座り込んだ。
(あれはヤバイ…。)
初めて低身長って質悪いな、と思った。
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