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「順栄…ごめん、待たせた。」
「んにゃ、そんな待ってねぇよ」
そんなことを思い出している間に待ち人はやってきたらしい。
いきなり呼び出すのも、その呼び出しに応じるのも、
俺達が幼馴染みで気の置けない仲だからだろう。
まぁ、呼び出した内容なんて分かり切ってる。
惚気だ。
好きな奴の惚気を聞かされるほど酷なことはない。
俺は前世で何か悪いことでもしたのだろうか…
と内心涙を流しながらも何でも無いような顔で
目の前に座る幼馴染みに目を向ける。
「んで?いきなり呼び出してどーした?
谷崎となんか進展でもあったのか?」
有り得ないと願いつつも話を進める為に問いかける。
「…うん」
「…っん!?え、えぇっなんて?!」
「俺…谷崎と、奎と付き合うことになった…」
お、落ち着け片桐 順栄…
佑が谷崎と付き合う?
有り得ないだろう。
だって相手は女たらしで有名なあの谷崎 奎だぞ?
あんだけ女の子取っ替え引っ替えしといて
男に興味があるわけ無いだろう。
そうだ。聞き間違えに違いない…
「順栄?…何ブツブツ言ってんだよ」
俺の気も知らず呑気に笑っている幼馴染は
その報告がしたかっただけらしく
さっさとその場から立ち去ってしまった。
1人取り残された俺が理解に苦しみながらも
幼馴染が幸せならと無理やり気持ちを整理し
カフェから出た頃にはすっかり日が落ちていた。
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