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とあるワンシーン 2
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(旭視点)
「可愛い……」
コンビニから京介さんの家に帰ってくると、京介さんはソファーで眠ってしまっていた。そして、その姿を俺はソファー前にしゃがんで、目に焼きつけるように見ていた。だって、京介さんの寝顔はとても貴重なレアショットだからである。お泊まりの時とか、エッチした時とか……チャンスは何度かあったんだけど、起こしてくれるのは、いつも京介さんで。
無防備で穏やかに眠る京介さんは本当に可愛い。俺は貴重なこの光景を残そうと、携帯のカメラを起動する。すると、にぼしが京介さんの腰の上に乗って。
「わっ、にぼし、ダメだよ。京介さんが起きちゃう」
何も知らないにぼしは「なー」と呑気に鳴いていた。なんとか写真に収めるまでは起きないでくれ、と俺はいそいそとシャッターを押す。
ピピッ──。
と、音がして、よしっと思えば、フラッシュ機能を切るのを忘れていたという誤算。
「あっ、フラッシュ焚いちゃった……京介さん、光って見えないや……」
もう一度、とカメラを構えれば、京介さんの肩が揺れていて。次の時には京介さんの目が開き、カメラを通してばっちり目が合ってしまった。
「……くくっ、あはは、嘘でしょ? 旭くん、撮るならちゃんと撮って? もうダメ……可愛すぎる……っ、あはは」
京介さんは笑いながら、俺の携帯をツンと突く。こうやって笑いのツボを押すのは上手いんだけどなあ。
「うう、それならもう一回!」
「だーめ。思ってたより恥ずかしかったから」
残念ながら、京介さんの寝顔チャレンジは次の持ち越しとなってしまったのである。それは果たしていつなのだろう。
End
* * *
──残業になっちゃったから、先に家で待ってて。今度はちゃんと合鍵を使うんだよ?
駅で京介さんの帰りを待っていると、この連絡が入った。バイトの終わる時間がちょうど重なって、一緒に帰ろうかと約束をしていたので、俺はしょんぼりする。でも、京介さんは今もお仕事を頑張っている。このまま待っていても仕方ないから、先に京介さんの家へ行くことにした。
京介さんの家に着いて、貰った合鍵を取り出す。この前はなんだか本当に勝手に入っていいのかと使えず終いで、結局、玄関の前で待ってしまって京介さんに叱られたのである。
今回は……えいっと思い切って鍵穴に合鍵を刺して回すと、カチャンと開く音。当たり前のことだが、慣れないことから開いちゃった……と思ってしまう。こっそり家の中に入ると、にぼしが「なー」と出迎えてくれて。
「にぼしー。そうなんだよ、京介さん一緒じゃないんだ……俺も寂しいよー」
俺はにぼしに駆け寄って抱き締める。まず、にぼしにご飯をやって、それから遊んでいよう。と、その前に。
──京介さんの家に着きました。それと合鍵も使わせていただきました。
京介さんへ、このメッセージを送信する。
それから、数時間。にぼしと遊んでいたが、先ににぼしが飽きてしまったようで、どこかに行ってしまった。これからどうしようか、とテレビを見ていると、玄関から音が聞こえて。
京介さんだ。俺は早く出迎えようと玄関まで急ぐ。しかし、そこには、すでに前からにぼしがいたようで、猫という生き物が羨ましくなった。
「京介さん! おかえりなさい!」
そんなにぼしに負けないよう、俺は走る勢いのまま京介さんにガバッと抱きつく。その勢いのせいでよろつく京介さん。
「びっくりしたー。旭くん、ただいま」
それでも、京介さんは受け止めてくれるから、大好き!
End
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