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【番外編】金と黒 2
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バーに行ってはセックスをする。なにかに囚われず、仲間の中で気楽に出来る関係に健人はハマったらしく、大学の頃はほとんどそういう日が多かった。時々、女にも手を出して明はヒヤッとしたが、なんでか合わないんだよなと言いながら、また男に戻していた。だからといって、彼氏を作ることもしなかった。今はただ遊びたいだけらしい。
健人が誰にもとられなければ……。
健人を好きだと気づいた以上、明は健人以外に抱かれたくないし、抱きたくない。しかし、まだそばにいられるだけマシとも思っていた。健人との関係を壊したくない。健人がいなくなれば、なにも残らなくなってしまう。
ずるずるとこういう関係を続けて、あっという間に大学を卒業し、社会人になっていた。明はホテルのスタッフ、健人はショップ店員として働いている。社会人になったばかりの時は仕事が忙しくて仕事のほうに打ち込んでいたが、慣れてくると、またバーに出向くことが自然と再開された。
終わらない。でも、これで健人と離れることはない。
「明も行くだろ?」
この言葉に頷くことしか出来ない──。
ぱんぱん、と打ちつけてくる腰が激しくなる。背後から荒い息が聞こえ、背中にぽたぽた汗が落ちるのも感じた。
「ん、んっ……」
もうすぐ中に出される。
明は中を擦ってくる大きなモノを締めつけた。すると、強く擦られる感覚が電流となり全身に流れ、目の前がスパークする。
気持ち良い、イきそう。
「ぁ、祐馬、気持ち良い……もっと激しくして……」
「はあ、明……っ」
艶めかしく懇願すれば、中の質量は大きくなった。そんなモノで奥を突かれると、明は身体を震わせ、イくイくと心の中で叫んだ。
しかし、その時だった。
「あれー。明くん、今日はネコちゃんかよ。かわい子ちゃんとヤってるのかと思ったー」
明の目の前にいたのは、いつの間にか行為を終えていた健人だった。
明はソファーから顔を上げ、ニマニマしている顔を睨む。健人は煙草を吸っていて、その煙をふっと明に吹きかけてくるものだから余計に気分が悪くなった。
乱れた髪をかき上げ、健人の持っている煙草をぶんどる。イライラしたから吸ってみたが、健人の吸う煙草は好きな味ではなかった。まず……とぼやきつつ、明は健人を見た。
「……あー、もう。イきそびれた。そのかわい子ちゃんをとったの誰だよ……腹立つ」
というか、そのかわい子ちゃんはどうしたの。
明が視線をずらせば、ぐったりしているのが見える。その身体には健人の上着がかけられていて。ちょっとした気遣いに引っかかったが、健人が目の前にいるなら問題ない。
それより初めてなんだから、手加減してあげればいいのに。少なくとも自分はそうした。気を失うまでやるなんて鬼畜すぎる。
最初の相手が健人でご愁傷さま。でも、自分から媚びてたから自業自得かな。
不味い煙草を吸いながら、視線を戻す。すると、健人は笑っていて。これはかわい子ちゃんに飽きたな、と明は思った。
「ごめーん、キスするから許して」
「いらない。かわい子ちゃんとやってな」
近づいてくる顔を健人と同じ方法で煙草の煙を吹いて、さっきの仕返しをする。
「ちょっと待って、明……健人といちゃつかないで、こっちにも集中してよ」
「んぁっ……!」
明が油断をしていると、ずんと後ろから衝撃がきて思わず声を上げてしまった。
落としそうになった煙草を健人が拾い、そのまま行為の様子を見られる。
真顔でじっと見つめてくるのは好きじゃない。その瞳の奥でなにを考えているのか、わからなくなる。
「明ってあまり顔に出さないよな……おい、祐馬。出したら俺と変われ」
その声に明はぴくっと反応した。
「はあ? マジか……今日はずっと明とするつもりだったのに」
健人が明を抱く回数は少ない。それは明がタチをしている時もあって、元々から当たる確率が低いというのもあるが。健人は新鮮さを求めて新しい子ばかり相手をするから、明とセックスなんて古い玩具と遊んでいるようなものだろう。
だが、こうやってたまに抱いてくれる時があって、明は救われるのだ。
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