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【番外編】金と黒 34
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愛されてることを知れ、か。
明は健人から顔を背けた。かわい子ちゃん相手ならわかるが、自分を相手にされると……。恋人のような甘ったるいことをされるのは苦手。これはどうしても拭えない。
「……どうしたらいいのか、わかんなくなる」
「お前らしく、はいはいって言っとけば良いんじゃね? まあ、焦ることはねーだろ」
「ん……」
そんなものでいいのか。
あまりしっくり来ないままに、健人からの口づけを受け入れる。衝動性もなく、優しく口内を愛撫される先に明の苦手な甘ったるいものを感じた。本当のところは胸を押し返したい。けれど、その思いを食い止めた明の腕は、健人の首に回っていた。
舌を絡めて丁寧な口づけを受け続けていると、じわっと温かさが広がって身体が痺れる。時折、小鳥のようなキスをして羞恥が込み上げてきたが、単なる触れるキスさえも気持ち良いと思えた。
ちゅく、と唇が離れ、明は小さく吐息を漏らす。熱に孕んだ瞳はさらにとろんと蕩けて。
「健人」
「んー?」
好きだよ。
その気持ちが大きくなることは確かだった。しかし、明は頬を熱くさせながら、ふいっと顔を逸らす。
「……はやく」
やっぱり言えない。恥ずかしくて、こういうのは似合わない。
すると、健人がボトルを取り、中身を手に垂らす。オイル状になっているそれは蓋を開けた時点で、ふわっとバニラのような甘い香りが部屋の中に漂った。健人らしくないな、なんて明が思っていると、後孔に指が挿入される。待ち望んでいた感覚に背中がゾクゾクした。
少しずつ垂らしては、中へ塗りたくられる。次第に中はしっとりと濡れて、指を少し動かすだけで水音が聞こえるようになった。
「もういいよ……そんなに使わなくても十分に解れてるでしょ?」
「まあそうだけど、明からこういう匂いすんの興奮するくね?」
健人は舌なめずりをしながら、わざとらしく中を揺らし、くちゅくちゅと音を立てる。そのせいで匂いも幾分か強く香ってきて。一瞬クラッとして酔いそうだった。
「……変態。健人だけじゃないかな?」
「ん。俺だけでいいんだよ。んじゃ、いただきまーす」
「それ、なんのプレイ……?」
謎の挨拶をされて明が呆れていると、ぱくっとペニスを咥えられ、ずるずると口腔に飲み込まれていく。
口の中は熱く、動く舌がぬるぬるする。明は鼻から抜ける声で鳴きながら、その様子を眺めた。健人が口を動かし、出されては入っていく。唾液に濡れて卑猥で、興奮した。
「ん、ぁっ……あ、」
それに、蜜がたっぷり入った孔も指で刺激される。狙っているのか、時々、前立腺を良い具合に掠められて、そのたびに敷いたタオルへ足の指を立てた。もどかしい。強い刺激を受けたいと身体が知らぬ間に動き、きゅっと孔を締めたあとには腰が浮く。
健人は口からペニスを離した。
「おい。尻が動いてんぞ」
「だって……あ、そこ気持ち良い……」
「馬鹿。指、動かしてねーよ」
健人が指を動かしてないというのに、聞こえる水音。それは明自らが腰を動かしているからであった。しかも、気持ち良いところにあてると止まらなかった。健人に焦らされたのが原因で、より一層、快楽を求めてしまう。
明は眉を切なげに下げて啜り泣いた。
「だ、だめ……とまんない……」
「……ったく。ほら」
中の指が増やされた。その上、健人の指は弱いところを責めるようにピストンをしてきて、明の内腿がひくひく揺れる。
そして、再開される口淫。熱い粘膜が激しく絡んで、射精が施されるようだった。一気に近づいた絶頂に我慢が出来ず、明はそのまま上り詰めていく。
「ぁっ……待って……あ、あっ、イくから……」
「いいから、イけよ」
「く、口……離して」
明がそう言っても健人は口を離そうとはしない。むしろ動きが激しくなるばかりで、明をイかせようと唾液を絡ませながら出てきた蜜を吸って。
「健人……けんと……!」
後ろで蠢く指も合わせて、明は健人の名前を呼びながら身体を震わせ、白濁を健人の口内へ放っていた。健人は残っている蜜もちゅっと吸い上げて全部を飲んでくれて。はあ、はあ、と荒く呼吸をする中で、その姿が見えて愛おしく思った。
健人はペニスを離してくれたが、蜜壷に入っている指はまだゆるゆると動いていた。余韻で微かな電流さえも気持ちよくて、明の中は収縮し、指を何度も締めつける。その動きは健人とまだ繋がれなくて、どこか切なそうだ。
もう我慢出来ない──。
「健人、きて……」
「わかってる」
指が抜けていく。その感覚さえも身が震えて、残された後孔はひくひくと開閉している。
健人が下着と一緒にボトムをずらすと、中から狂気じみたペニスが勢い良く飛び出した。腹についてしまうのではないかというくらいに勃起していて。可哀想に、と明は足を伸ばして、その熱に触れた。
「そんなになるまで我慢する必要あった?」
ドクドク脈を打っていて、先走りに濡れたそれがもうすぐ入ってくる。期待に明は艶めかしく微笑み、ペニスを撫で上げる。
「あったあった。今、明の中やばいことになってっから……このままいい?」
「ん……いいから、はやく」
「じゃ、入れっぞ」
健人が明の脚の間に入ると、蕾に先端をあてがわれて。そこですでにジンと痺れた感覚があり、明の瞳が細くなると、入り口を割り開かれて挿入が開始された。
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